第2話 夏が憤る

 夏が憤る

 夏がいきどおる


 りっしんべんに口なし噴火で憤る

 心十サ貝

 心は十分さ、私は貝になりたい


 この憤りをどこへぶつけたらいいかわからない

 あつい

 ただひたすらに

 ただそれだけに

 いきものは暑さに対応している

 貝だってイカだって昆虫だって

 心がないわけじゃない

 生きるのに必死なだけ

 暑い海は苦手


 心ない人に傷つき怒ったり悲しんだり

 心を動かされるのはもうたくさん

 心を揺り動かす感動のお話ももうたくさん

 かわいそうで辛くて大変でしんどくて

 寒い冬を暑い夏を

 殺人的な太陽の下

 今を生きているだけで

 ただ日々暮らしているだけで

 それだけでもいい

 いろいろと欲がでてきて

 いろいろと厄介ごとがあって

 いろいろと優劣があって

 踏んだり蹴ったり


 サンダルダッシュで転んで怪我

 痛い


 コップの氷がすぐ溶けてさざ波になる

 ぬるい


 夏の想いは向日葵のように咲き乱れる

 眩しい


 火花は刹那でも散っても

 きれい


 ホラーは刹那でも目をつむっても耳を閉じても

 怖い


 お盆は帰省

 人混み苦手

 地元の花火

 少し小さい

 田舎は田舎

 かわらない

 厄介クモの巣

 やっばい雑草

 やっばい汗水

 水遊びしたい


 太陽か?

 地球か?

 夏か?

 私か?

 私が変わるしかないのか

 暑くてもなんでも怒らないようになれれば

 それでいいのかな


 クーラーは冷えすぎるし

 でも使わないと

 クラクラしちゃう

 扇風機は熱風を送るし

 でも使わないと

 ムシムシしちゃう


 感情が揺り動かされることが多い

 心が騒がしい

 人の波がうごめく

 夏だけじゃないけどね


 夏が憤るのは私

 私たちは怒られている

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