第1話 夏が齧る

 夏が齧る

 夏がかじる

 私たちは夏をかじる


 きゅうりをかじる。畑で化け物になる前に収穫。葉っぱに隠れて大きく育ちすぎちゃうのもある。夏の雷雨で成長する。水で洗って丸かじり。生のまま一本。切らないでそのままマヨネーズと味噌を混ぜて食べるときもある。またはしっかり切って、おしゃれな野菜スティックとして飾り付けるときも。浅漬けや細切りにしてサラダにしたり。まあ水分と塩分がとれる。


 アイスをかじる。氷菓子、ジャリジャリ、シャリシャリ。暑さがマックスになるとやっぱり氷。バニラもいいけど、キーンと冷える気がする。食べるそばから溶けてしまうから急いでかじる。なめる。かき氷好き、レモン味が好き。練乳はかけない。お祭りのかき氷以外にも最近は専門店ができてる。すごい。りんご飴もチョコバナナもあまり舐めずかじりつく。


 スイカをかじる。今年はスイカを早く採ってしまって、切ったら残念、悲しい中身。赤くない。かじってみたけどやっぱり甘くない。切って小さくして犬へあげる。ちょっと微妙だったみたい。スイカの某アイスも種と芯のところが好き。うまい。


 親のすねかじり、聞きかじった

 カジュアルな過剰包装

 火事場の馬鹿力、鍛冶屋の果実

 かじかんだ手で家事をするのよ

 歌人はどこへ?カジノ

 舵取りできぬカジキマグロとガジュマルの木


 夏がかじるのは私

 おいしくないよ


 契りは大きくない、歯の米は人人に齧られる

 契約は大したことはない、止めたら日々人人に齧られる

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