第218話 閑話 ホリーの道 その5(完結)

私は今日結婚する。

私はこの日のことを一生忘れない。


思えば、19歳の時の婚約破棄から紆余曲折あった。

結婚なんて考えたくもないと思ったこともあった。

でも、今は、それらすべて結婚の女神ヴァーラーの導きのような気がする。



兄さんは「ホリーがそう思えるなら、それで良い」と言っていた。



ここから、私とネイサン、二人は末永く幸せに暮らしました、になるかどうかは分からない。


ネイサンは、冒険者だ。

私は冒険者としての活動に一区切りつけるつもりだが、ネイサンはこれからも冒険者だろう。

もちろん、デイジーも。


そして、どうも、『デイジーちゃんと仲間達』は、第五層に行く計画と立てているようなのだ。

残る予定の私としては複雑だ。


いつ未亡人になるか分からない。



でも、今日は考えるのはやめよう。

私は、家族や仲間に愛されて育ち、愛する人を見つけ、愛する人と結婚する。


今日この日、私はロイメいち幸せな娘なのだ。



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