第37話 お弁当

 スッと目が覚めた。見覚えのある、いや、確実に昔の思い出が夢に出てきた。


 「ごめん。3歳の時君が魔法を使えなくなったのは、俺のせいだった。俺が取ってきた魔薬は魔法を使えなくするためのものだ。口に入れなければ大丈夫だが、少し噛んだだけでも3歳の君には効き目が強すぎたんだろう。俺があの葉を持ってきたせいだ。本当に申し訳ない。」


 夢から覚めた昼、俺はデイジーを昼食に誘った。全てを話し、謝罪するためだ。


 「私も今、その話を聞いてようやく思い出した。今は魔法使えるようになったし、昔レオと会って遊んでたことが何より嬉しいよ。だからもう気にしないで。私が食べたのが悪いんだし。もう謝らないで。」デイジーは弁当箱を膝に置いて話した。

 「ありがとう。あ、急に呼び出しちゃって大丈夫だった?友達と食べたければ…」

 「大丈夫。同じクラスに仲いい子いないの。話したら嫌われちゃうタイプだし、顔がかっこいいレオとかセージとかと話してると妬まれちゃうからね。」

 「え、俺のせい?」

 「うん、そうだね…レオの顔が整いすぎてるせいだね。」

 俺が返答に困っていると、デイジーはフフッと笑って「でももう大丈夫。そろそろ魔法科に転入できるから。」弁当箱を開けながら言った。


 それから3週間後のことだった。俺は突然俺の部屋に入ってきたキャシーの話を聞いて、妙な気持ちになった。

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