第11話 お疲れ様でした

 8月30日 20:18

 自室のベッドで眠っていた父上が目を覚ました。「どのくらい眠っていた?」

 「11時間ほどです。」このままずっと眠り続けてしまうのではないかと思っていた俺は、ホッと息をついた。

 父上が倒れた後、俺は父上を部屋のベッドに寝かせ、セージが呼んでくれたペリドットにキラージャックの死体処理を頼んだり、ジョーを森にぶっ飛ばしたり、城含め崩れた建物を修復したりで、落ち着いたのは夕方だった。

 「そうか…。無理しすぎたようだ。」父上の声は少し弱々しく、優しかった。

 「いくつ魔法を使ったのですか。」

 「攻撃範囲制限の魔法、ビーム、幻覚…他にも攻撃阻止の魔法をいくつか。上限はかなりオーバーしているはずだ。…もう、魔法を使うことがあまりできない。寿命もかなり縮んでしまっただろう。」

 「そんな…」

 「わたしは引退する。明後日新国王の任命式を行おう。お前なら、きっとこの国をよりよくできる。キラージャックは死んだが、ジョーや、新しい敵がまた平和を乱してくるかもしれない。常に次に備えるのだ。チームもそろそろ訓練を始めろ。後はお前の好きなようにして良い。学校を辞めてもいいし、宰相を立てて青春してもいい。わたしがまだ生きていたら、何でも相談していいぞ。」そう言うと父上はにっこりと笑った。

 

 

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