正直な気持ち

 この話し、これでおわりませんでした!

 ―――――――――――――――――――――

 今日、私は釈放される。斎藤を刺し殺してから五年の月日がたった。

 その間に、せーちゃんが目を覚ましたと、お母さんから報告があった。

 でも、私は裏切り者で、人殺しになった。もう、せーちゃんに会う資格は無いのだろう。それだけじゃない、私と大切な人達の絆は、断ち切られている。

 私は、本当な意味で孤立した。それだも、償いはまだ終わっていない。

 これからは一人で、バイトをしながら、せーちゃんの入院費とせーちゃんの支援に当てなければ。

 そう考えながら、刑務所の出口を目指す。

 

 

 ドアをあけ、外の空気が私に顔を出した時だった。

刑務所の出口付近に、男性が立っていた。久しぶりの日差しで、良く見えなかった。

 

 (私以外に、釈放される人がいるのかな?)


 そう思ったのだが、男性の声で一変する。

 

 「とーかー!」


 男性が私の名前を呼んだ。男性の待ち人は私だったのだ。

 たが、それは私には関係無のないことだった。

 その男性が誰なのかが重要だった。


 「せー、ちゃん?」


 重かった足取りが、少しずつ軽くなる。そして、男性に抱きつこうとした時、私は足を止めた。

 今すぐ抱きつたかったが、今すぐ、泣いてしまいたかったが、泣くわけにはいかなかった。

 私には、言うことがあるからだ。


 「せーちゃん、本当にごめんなさい。私、せーちゃんを裏切った。償い切れない程傷つけた。せーちゃんはいつも、私を助けてくれたのに。本当にごめんなさい。」


 必死に涙をこらえて、せーちゃんの返事を待つ。


 この時のせーちゃんの話は、忘れられないものになるだろう。


 「僕、透華と斎藤先輩がしてたの見た時、何度も何度も吐いたんだ。その現実が受け止められなくて、おかしなくなりそうだった。正直な話、透華を信じられなくなった。でも、透華を恨むことはどうしても出来なくて、透華が幸せならって、手放すことにしたんだ。それから、先輩の真意を聞いちゃって、絶望して、何もかも諦めて飛び降りたんだ。手紙をかいたのも、たぶんそれしか、出来ることがなかったからだと思う。」


 「寝てる間、弟に会って話しをしたんだ。そしたらね、わかったんだ。僕のしたいこと。」

 

 「僕、透華と暮らしたい。」


 でも…

 「でも、せーちゃんを裏切ったんだよ?人を殺したんだよ?それでも、私を許してくれるの?」

 

 首を横に振る


 「許すことは出来ない。正直、それに関しては怒ってる。」 

 

 「でもね、やっぱり嘘はつけないよ。しょうがないじゃないか、君のことを愛してしまったんだから。」


 困ったように眉を寄せて言う。


 「そんなこと言われたら、私、もうせーちゃんから離れられなくなっちゃうよ?もう、止められなくなっちゃうよ?」


 そんな私に、無言で腕を広げる。


 「ごめんなさい、せーちゃん。ごめんなさい。ごめんなさい。」

 

 約6年ぶりのせーちゃんの包容は、私の謝罪を受け止めた。


 それから、迎えにきた私のお母さんも、せーちゃんに抱きついている私を見て、泣いていた。


――――――――――――――――――――――

 それからは、小父さん、小母さん、、今回のことを謝罪しに行った。

 関係は断ちきられると思ったが、皆快く私を受け止めたくれた。本当に感謝しかない。 

 正人君にも謝罪しに行ったのだが、「まぁ、なんだ。アイツは変わらないと思うし、お前がいなかったら、誠四郎が死んでたかもしれないし、ありがとな。二度と、絶対に、誠四郎を苦しめるようなことはするな。」

 

 と、言われてしまった。


 それから、私のバイト生活は基本的に変わらなかった。

 でも、せーちゃんが仕事帰りに、私を待っててくれるし、私もせーちゃんの悩みごとなどを聞いて、一緒に考えたりした。

 それに、奥田家、幸崎家、桜井家の皆で、食事をするようになった。

 

 私が、せーちゃんを裏切ったこと、たくさんの人を傷つけたこと、人を殺したこと、これらの罪は一生ついてくるし、完全に償うことは出来ない。言ってしまえば、罪の断片すら、償うことは出来ない。

 それでも、やれることをやらなければ、こんな結果ではないだろう。少なくとも、そんな私は、もう人間では無い、アイツと同じ只の怪物だ。


 私が、償うことができるのは、それだけ、周りの人が私を支えていると言うこと。それが幸せであること。それを、裏切った身でありながら、知ることが出来て、幸せです。


 

 私は、聞き忘れていたことを、せーちゃんに聞く。


 「せーちゃん、私はせーちゃんを愛してもいい?」

 

 そして、せーちゃんが答える。


 「むしろ、愛してくれないと嫌だよ。」


 その答えるに私は笑顔を作り、


 「せーちゃん、愛してます。今も、これからも。ずっと、永遠に愛してます!」

  

 愛の言葉を一言一言、刻むように紡いだ。

   

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

あとがき

 そろそろ終わるのか。と思いながら、今後どうするか悩んでいます。

 自分的には、納得いくのですが、少し物足りないかなーとも思ってます。

 もしかしたら、ちょっぴりだけ、続きをかくかもしれませんので、もし更新されてたら、読んでください。

 いやー、本当に不思議生のです。国語の平均点数56、作文は基本ゼロ点の僕なのですが、まさかこんなに読まれるとは、思いませんでした。最初のフォロー数の予想、6人でしたよ。もうビックリ、予想外デース状況。

 なんにせよ、こんなに読んでいただけて光栄です。本当に読者さんたちには、頭が上がらないでござる。

 あとがきの冒頭でも書きましたが、たぶん次があるので、確認よろしくお願いします。

 誤字脱字 改善点ありましたら、レビュー、応援メッセージに書き込んで下さい!

 それでは、この作品を読んでくださり、ありがとうございました!またね!

 

 あ、結局ここでおわりませんでした!すいません!


 

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