物語の始まりはここから

 今日の授業は全く頭に入って来なかった。透華と同じクラスであること、それだけであの時の映像がフラッシュバックするのだ。

 結局透華とは話掛けてきては素っ気なく返したり、僕から話し掛けることができず、一切話はしなかった。それに今日顔を見たのは、朝教室に入る時だけだった。

 

 透華には悪いとも思ったが、僕は正人と一緒に帰路につくことにした。ちなみに部活は休んでいる。

 

 帰っている途中は、透華のことを思い出したくなくて、正人に心配してほしくなくて、雑談して気を紛らわして歩いていた。


 すると、ふいに質問してきた。

 

 「なぁ、これから幸崎とどうするんだ?」

 

 そう重々しい声で言われ、誤魔化すことが出来なかった。


 自分の中でまだ整理できておらず、明確な答えがでない。それに、今まで他人のことを考えてたからか、こういう状況になった時自分の気持ちが分からなくなっていた。

 

 「正直どうしたらいいのか分からない。 自分が透華のことをどう思ってるのか…自分がどうしたいのかが分からないんだ。」

 

 

 「そっか。じゃあ、決まったら言ってくれ。それに、絶対に相談しろよ。一人で抱え込むなよ。」

 

 「うん。ありがと。僕こっちだから。じゃあね。」

 

 「おう!また明日な!」


 正人が自分の親友でよかっと改めて思いながら、僕は家に帰った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



 それから、僕の答えは、透華が望む幸せを願い透華と別れることとなった。

 僕が割り切ってからは、透過華との友達としての関係を築くのは早かった。透華の幸せは僕には理解する事ができないけど、透華の選択を心から祝福したいと思った、















        思っていたんだ。

 

 

  あの斎藤先輩の言葉を聞いてしまうまでは 


 彼氏は次の日、主人公の目の前で屋上から飛び降りた。



 







      さぁ物語の始まりだ。

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