第2話 透明感

狭い書斎で珈琲豆を削ってみる

いつからだろう

食卓で珈琲を飲まなくなったのは

空腹を覚えたが食べる気がしないので

また珈琲を淹れてみる

そうだ

洗濯物を干そう

急に思い立ったら

書斎からベランダに出て洗いたての洗濯物を干す

洗濯物は白が多い

好きな色だ

でも無色透明が一番好きだ

白いキャンバスには沢山の色を乗せれるが

無色透明は色に染まることはない

何色にも染まらない透明感は少し寂しい時がある

そうか!思い出した

君はもう居なかったんだ

毎日、初めてのように気付いてしまう

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