テオドール
織風 羊
第1話 遠雷
探し物を見つけに出た旅先で見たものは
灰色の雲に包まれた山々を白く光らせる遠雷
山と山の間には雨が降っているのだろうか
峠を越えた山間部にあるのは大きな街なのだろうか
それとも小さな村なのか
渓谷があるのかも知れない
それとも私が今居る場所のように小さな野営地があるのだろうか
そこは雨に煙る山道なのだろうか
そこでは逞しい腕を濡らす人が凍えているのか
雨の中で細い肩を震わせている人がいるのだろうか
夏の雨は山間ならば人に優しさを与えない
ここからは遠く雷が聞こえている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます