2話 泣く(今回は詩的)
目の前に線路に落ちる崖がある。
みんなより少し早めの帰宅を促された。
――お前は誰からも愛されないんだ
その言葉に胸がきしむ。
悲鳴を上げる。
ふと思う。
この崖から落ちて電車にひかれて死んだら楽になるのだろうか?
と。
顔を向けると電車が都合よくやって来た。
死ぬなら今だ。
死ねば楽になる。
死ねば辛くない。
自分で自分の考えに興奮した。
一歩を踏み出そうとしたとき。
「お客様、白の線まで下がってくださーい」
なんてアナウンスされる。
急いで待合室付近へ戻る。
電車は何事もなかったかのように止まりドアを開けてくれる。
電車の中で私は静かに泣いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます