第4話『ここどこ?』

 気が付いた時には6人が私の顔を覗き込んでいた。ホールの日野さん、マッキー(牧野)、エム(恵紫)、チ―フ(料理長)、キャプテン(副料理長)、ハゲたおっさん。む?ハゲたおっさん。

「山口さん、大丈夫ですか?」日野さん。

「うん。爆発からどの位たってるの?」

「約1時間です。」

「じぁ7時くらいか。みんなは?」

「大丈夫です」

「あ~よかった。あの爆発はなに?チ―フ、ガス?」

「いえ、違います。廃油もしらべましたが問題ないです」

「あ、そう。わからんね。こちらの方は?」

日野さん「爆発時トイレにいたそうです。お客様です。ノーゲスト(お客様がいない状態をいう)だと思っていたのですが……」

「そうですか。ご迷惑お掛けしまして申し訳ございません」

ハゲ「いや、エへへへ」

 日野さんが未だ状況が全く把握出来ないのですがと恐縮しながら「爆発は裏口近くからだと思います。一番近くにいたのは山口さんです。」「うん、それで」「それで……山口さんの左耳が……取れました。」「耳がとれた。」手で確認したら包帯が巻いてあった。

「あ~僕でよかった~。前からなんでついているのか不思議に思っていたし、君たち3人をこんな目に合わせていたら親御さんに合わせる顔がなかったよ。全然気にすることないですよ。左耳は一応冷凍しておこう」


 「じゃ、直接的な被害はいまのところ私の耳の欠損と裏口の曲がりだけだね」「電気は通っているし、あとのライフラインに問題がないか?マッキー確認して」「近隣500メ―トルが気になるのでキャプテン、エムの自転車使って見てきて、あと飲食店も確認して」「チ―フはあと何日営業できるか在庫を確認して、それと店舗で作れるものとそうでないものを判別して」「日野さんは休業のお知らせと期限切れの食材を破棄してください」「あとエム、あなたは、……玄関閉めて店内から来てくださったお客様にお詫びをしてくれ。オ―プンは未定であることも伝えてね」「僕は店長に連絡する。たぶん繋がらないと思うけどね!じゃあ、取りかかろう。パッと終わらして!」

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