知らぬ。存ぜぬ。耳ふさぐ。吐き気と幾何学模様きかがくもようのシャーデンフロイデ。


 彼女の好きな曲の歌詞、私に理解は本質的に不能。


 あの曲のワンシーンとおんなじようにこっそり積み上げた机。


 一方で、かかしが燃えるど真ん中。

 ひっこ抜け。

 片足で立つ、穴の無い口笛。


 崩し合う燃やし合う、それぞれ吐瀉物としゃぶつと焼死の対バン中継。



 集合写真にいっこずつバツを描き彼女は最後まで笑った。


 彼女もまた、私の音感を理解出来なかったのか?


 たぎるかげろうと偏頭痛へんずつう。煙い、煙い、煙い、煙たい。


 高校裏の深い森の奥にこだまする。神社のほこら、見つけて泣きそうになる。



 叫び散らすブルーシートの群れ、丸太のように積み上がった廃棄処理代わりの結果として生ずる火葬かそう、運動場の迷妄めいもう


 朽ちながら、理解可能なふりをたおれるまで。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る