ロコノミシリノ⑦
あれから、もう何年だろう。
墓前に最近出した本を供えて、読み終わるのを紫煙を燻らしながら待ってる時、ふとそんな事を思った。
こんな風に思うのも歳をとったせいなのか。
私に生きる目標を与えてくれたこころんとはあのキスの後、会える機会は訪れなく、急いで描き上げた漫画を見てもらえることもなかった。
お兄さんの計らいで棺には入れてもらえたけど。
その後はただひたすらにがむしゃらに漫画を描いた。
こころんが描いた世界を、生きたかった世界を。
それも、もう一応全部漫画にしてしまった。
そして今は、こころんと生きたかった世界を私は描いている。
ロコノミシリノ、として。
話花【ロコノミシリノ】 葵冬弥(あおいとうや) @aoi108
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます