ロコノミシリノ⑦

あれから、もう何年だろう。


墓前に最近出した本を供えて、読み終わるのを紫煙を燻らしながら待ってる時、ふとそんな事を思った。


こんな風に思うのも歳をとったせいなのか。


私に生きる目標を与えてくれたこころんとはあのキスの後、会える機会は訪れなく、急いで描き上げた漫画を見てもらえることもなかった。


お兄さんの計らいで棺には入れてもらえたけど。


その後はただひたすらにがむしゃらに漫画を描いた。


こころんが描いた世界を、生きたかった世界を。


それも、もう一応全部漫画にしてしまった。


そして今は、こころんと生きたかった世界を私は描いている。


ロコノミシリノ、として。

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話花【ロコノミシリノ】 葵冬弥(あおいとうや) @aoi108

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