第4話 ドキドキの正体

かなこ「ねぇねぇ、、、好きな人いる?」


リコは6人の仲のよい友達がいた。休み時間など、いつも一緒で、学校帰りも途中まで一緒に帰っていた。そんな仲の良い友達同士なら当然話題になっても、不思議ない。。


そう、それが、「恋バナ」である。


だが、リコはその話について行けるだろうか?それが、意外にも行けていたのだ。なぜなら、恋の教科書とも言える物を日々読み漁っていたからである。


それが少女漫画だ。この漫画から、恋をする事を頭では学んでいた。只、それを自分に置き換えれず、緊張の日々を送っていたのだ。



「好きな人いる?」


この言葉に反応したのが、その内の一人、みかであった。みかは別のクラスにいる、多田の事を話した。


みか「あたしね、G組の多田くんが好きなんよ。」


皆が驚く、普通の反応かもしれないが、彼女達が驚いたのは、みかの好みである。全員一致で一言。


「えーっ?! 何処がええの?」


なんとも、失礼な友達だろうか。ただ、皆が思うのは仕方ないのかもしれない。多田はとにかく、色白で細く、ひょろひょろした感じで、とても、ひ弱そうだったからだ。


リコは皆の話を聞いていた。


みか「いいじゃん! かっこいいし!、、、」


皆は「・・・・」


何も言えなかった。


みか「あのね、、、みんな?、、、」


「あ、ごめん、、、それで?」


友達のひとりが話の続きをみかに促す。リコはさらりと聞いていた。この後、自分の身に起こる衝撃も知らずに。。。


みか「あのね、多田くんがね、同じクラスだったらいいのに。。。だけどね、この前、廊下で、目が合っちゃったの!キャーっ!、、、めっちゃ、かっこいい!!」


リコ(今、なんて?、、言った?、、、目が合っちゃた、、、?)


リコの緊張感が増す。


「そりゃ、みかが多田を見るからでしょ!」


みか「そりゃ、見つめるよ!かっこいいし、大好きだもん!」


リコ(な、なに?、、、み、見つめる?、、、目が合っちゃった、、かっこいい???)


リコは、みかと多田の事を自分に置き換えたのだ。そして、自分と同じ事なのだと。。。みかの反応を見れば見る程、ドキドキが止まらず、、、


やっとわかった。この感覚の正体。。。


漫画の世界だけだと思っていたのが、自分に来たー!、、、


リコ(な、なんなの?、、、もしかして、私が、、、こ、恋?!、、、し、信じられん!!!)


動揺がとまらず、頭がクラクラするリコなのだった。。。


さぁ、大変ぞ!リコ!


早速、田中と鉢合わせになり、勿論目が合う。


逃げるように、足早になる、リコ。


もう、止まらなかった。ドキドキは只の動悸ではなく、ときめきだった。


リコの内側は、大騒ぎだったのだ。でも、誰にも言えない。言えるわけがない。。。それも、そのはず、男子は人間とは思えず、得体のしれない危険物だと思っていたからである。


リコ(だ、誰にも言えん!絶対に!。。。自分でも認めたくないのに。。。こんなん。。。な、な、なんでなのーっ!?)


完全なるパニック。しかし、友達、彼女達の前では平然を装う、リコだった。。。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る