第2話 気になるのはなんで?

新しく席替えをし、あの田中が隣になった事がこのリコを少しずつ変えていく。。


リコに田中はどう、映っていたのか?クラスの女子は田中に普通に話かけられる、親しみのある男子だ。田中には仲がいい友達もいて、女子とも話が普通にできる。男女問わない親しい。そんな感じだ。また、勉強も良くできた優秀な生徒だった。


一方、リコは勉強も嫌いで苦手。成績も悪く全くもって、おとなしく、只の暗い、教室の隅っこにいる影の薄い人間だと、自分では思っていた。。。


だが、それは、リコ本人が思っているだけで、実は、影など全く薄くない、それどころか、


(いつも、何を考えている子なんだろう。。。不思議な感じがする。。。)


そんなイメージを男子には持たれがちだった。


田中はリコが気になりよく、チラチラとリコを見るが、リコには迷惑な姿にしか見えない。


リコ(あんまり、見んといてほしい。。。な、なんか、、、変な感じがするから。。。)


そんな事をリコは思った。


陽はと言うと、リコに対して淡い想いを抱いていたものの、リコからの、

(近づかないで!、、下さい。。。)みたいなオーラを感じとり、全く近付けないでいた。



そんなある日、女子何人かが、集まり何やら騒いでいる。リコは気になり、横を通りがてら覗いてみた。


みさき「リコちゃんも書いてみてよ。」


リコ「え?何を?」


なみ「誰か代表で、ラブレター書くんよ。それで、男子の誰にしょうかなって、話してたんよ。」


リコ「ら、ラブレター?、、、」


周りにいる女子はリコに書かせようとするが、リコからしたら、滅相もない事。。。(絶対に、、、絶対に嫌だ!)


まぁ、そうだろう。。。


結局、彼女達のうちの一人が代表で書き、さて、誰に書くのかを悩んでいるようだった。


あかね「じゃぁ、田中にしょう!」


リコ(た、田中?、、、??)


皆が騒ぐ、、、田中にいたずらでラブレターを書いたら、どんなになるだろう。そんな話題で盛り上がりながら、手紙を皆で考え一人が書いていく。


それを横目にリコは、なんだか、ドキドキが止まらなかった。。。


別に自分が書くわけでもなく、自分が渡すわけでもない。それでも、なぜか、ドキドキする。。。


リコにとっては不思議な感覚だった。


ラブレターは田中の机に入れ、彼の見つけた時の反応が女子達には、待ち遠しい。


やがて、田中が、机の中から手紙を見つけ、読むのを彼女達は、ただひたすら見ていた。


かなり、スリリングだったに違いない。リコは、彼女達より、田中の様子が気になり、ずっと観察していたのだ。そして、だんだんと、田中の顔が赤くなるのを見ながら、自分の中で不思議な感覚を覚える。


今まで、男子が異様な生きものだと思い恐かったリコに今、見えるものが、只の顔の赤い、人間に見えていたのだ。


このラブレターがいたずらだと知り、しかも、書いたのか、なぜかリコだと、誰かが言った事で、リコの内側は大変な事になるのである。。。


当然ながら、田中はリコを見る。が、リコは何も言い返す事も出来ない。


完全にパニックだった。。。心の中、内側では、リコは泡を吹き倒れていたのだ。。。再起不能な状態だった。


田中はそれからは、リコをかなり意識するようになる。例えイタズラだといっても、あのリコが書いたとなり、


(あのリコさんが???)となっていたのだ。


リコ(あぁ、、、なんと言うこと。。。なんで、わたしが?。。。)


呆然となるリコだった。。。


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