17日目 モテないナースと幼馴染みと好きな人
朝起きたが、何だか嫌な予感がした。
杪夏を見てみて、安心した。
何ともなっていなかった。
どうやら、少し早く起きてしまったみたいだ。
昨日の、二階堂の顔を思い出したらなんだか
心が晴れる感じがする。
何故か、ライムの通知音がなっていてうるさい。
誰なんだ、こんな時間にメッセージ送ってくる奴はと思って見ると……
そこには、立花桜が今日きて杪夏との決着をつけると書いてあった。
間違いなく、俺にとっては迷惑メールそのものだ。
エッチなサイトの、架空請求をしてくる奴らと同じくらいには迷惑だ。
それにしても、立花は部活とかやらないのか。
いつも、学校でも俺といるだけだったからな。
何で、友達と遊ばないんだろ。
それに、他の人と話をしている所を見たことないぞ。
まさか、本当に俺がいない時は一人なのだろうか。
だったら、杪夏と友達になってほしいな。
そうすれば、杪夏も女友達を作れるし。
そうなったら、俺にこうやってしつこく恋愛のことで言ってくることもないから。
そう考えていると、いつの間にか杪夏も起きてきて、いつも俺が起きてくるぐらいの時間になっていた。
そして、母親からもライムが届き。
暇なので、見舞いにくるというメッセージを送ってくる。
その後に、PS別に杪夏ちゃんと創の恋が気になるからじゃないからね、と書いてあった。
このババアは、俺が杪夏と両想いの事を知ってるくせに何でこう言う事をするのか。
実は、母親から前ライムのメッセージが届いて、杪夏との恋愛については教えていたのだが。
相変わらず、空気が読めない母親だ。
普通、杪夏と二人っきりで居たいと察しろよ。
何で、幼馴染みと母親がセットで来るんだよ。
それじゃあ、杪夏との仲も良くならないだろ。
せめて、幼馴染みのライムのアカウント知ってるなら、言っておいてくれ。
杪夏との、一時を邪魔しないでくれってさ。
暫くたったら、いつものように大して旨くもない病院の朝食を食べる。
どうして、こんなに味美味しくないのか激しく問い詰めたい。
まあ、前みたいに刑務所と同じだと思わないがな。
だって、ここには杪夏がいて。
それだけで、どんなに不味い食事でも旨く感じるからな。
まさか、自分が入院生活を楽しみにすると思えなかった。
だって、最初入院した時なんて。
マジで、楽しみ一つもなかったもの。
飯は旨くない、看護師はババアと若くてもヤンキーみたいな怖い人しかいないと思っていたからな。
俺も、病院で好きな人が出来るとは思わなかったわ。
俺は、ニコニコして食事とるが。
看護師のお姉さんが、その姿をみて驚いていた。
「斎藤君! そんなに笑顔で何かあったの? 不気味よ」
全く、失礼な看護師だ。
俺だって、嬉しいときは笑うし。
悲しいときは泣くって。
大体、男子高校生ってのは好きなこと一緒にいるときが一番楽しいんだ。
それと、男連中と遊んだり部活をやっている時がな。
まあ、例外であるオタクとか言う奴らはそう思わないと思うが。
俺は、至って普通の男子高校生だ。
だから、おかしくないだろ。
「別にいいじゃないですか! 俺が笑顔でニコニコしたら、悪いんですか!」
「別に、そんな事は言ってないわよ。ただ……あまり、最初入ってきたとき笑わなかったからさ。そう言うふうに笑うんだ、と思って……」
この看護師のお姉さんは、俺があまり笑わなくて暗い人間だと思っていたのか。
それゃあ、俺だって足に怪我をしてサッカーの大会に出れなくなったら、落ち込むだろうよ。
だけど、それ以上に可愛い好きな女の子と居れるのなら、楽しくなるのが男ってもんですよ。
つい、それを口走りそうになるが何とかおさえた。
「あ~! 杪夏も俺の事を好きなってくれたし。幸せだ~」
「ふ~ん……」
何だか、嫌そうに俺を見つめる看護師のお姉さんと、それと対極に杪夏は顔を赤くして照れていた。
「あ~! 腹が立つわ~! 今日、斎藤君に血液検査の為に注射うつけど。滅茶苦茶痛くしてあげよ~」
「いや! マジで勘弁してください。美しいお姉さん!」
そう言うと、看護師のお姉さんは何故か上機嫌になり許してくれた。
「今回は、見逃してあげる。だけど、次イチャイチャしたら……注射痛くするからね!」
いや。
そんな、言い方しても可愛く聞こえないから。
むしろ、鬼のように聞こえるから。
「それと……まだ、ここにいるからね。注射うたないといけないから」
そう言って、暫くしたら注射を打つための準備をしてきて、俺は注射は打たれた。
そして、杪夏も注射をうたれ。
何故か、看護師のお姉さんだけはナース室には帰らなかった。
「……え? 何で、帰らないんですか?」
「私は、まだ帰らないわよ。だって、今から斎藤君の取り合いを始めるんでしょ? あなたのお母さんから、ライムが届いてたから知ってるわよ」
あのババア、やりやがった。
よりにもよって、この恋愛に嫉妬深い看護師のお姉さんに教えてるとは。
病室に入ってきたら、説教するからな。
反省するまで、帰らせねぇ。
「それと……」
何だか、顔が怖かった。
まさか、また俺がモテる事が気にくわなくて泣いたり叫んだりするんじゃないんだろうな。
「私も、参戦するわ! その、斎藤君の恋人候補に!!」
何だと……
あまりに、モテないからって。
高校生の、甘酸っぱい色恋沙汰にこの成人したお姉さんがくるだと。
本当に正気かよ……
可笑しくなったんじゃないのか。
彼氏が出来ないから。
そう考えていると、うちの母親と幼馴染みの立花がやってきた。
「ちょっと! これでどう言うこと! お母さんは居るのは聞いてたけど! 何で看護師のお姉さんまでいるの!」
「まさかね~創が、こんなにモテモテだと思わなかったわ~どうしましょう!」
いや……
どうしましょう。
じゃあねぇよ。
どうするんだよ、この状況。
もう、母親には呆れるやら驚くやらで困らせられる。
ここまで、息子の気持ち分かってるなら。
幼馴染みをこさせるなよ。
それに、何故か嬉しそうだったのは気のせいか……
「あ~……と言うか、俺も看護師のお姉さんは。今日、何故か恋人になりたいって言ってきて。正直、困ってんだよ……もう、訳わかんねぇよ!」
もう、訳が分からなくなっていた俺は。
頭を抱えて、混乱していた。
何で、こんなことになるのか分からない。
だが、そんな俺を尻目に。
杪夏と、立花と看護師のお姉さんはお互い睨みあっていた。
「斎藤君は……私の事が好きなの……だから、あなた達は眼中にないわ……」
「何よ! 四季さんは、勝ったきでいるの! 私は、創にずっと優しくされてたんだから!」
「私だって! 斎藤君と、入院生活中話していたんだから! それに、大人の魅力があるのよ!」
それは、お互い譲らない接戦だった。
これこそ、女の戦いだ。
「まあ~! 大変ね! チュイッターに息子、モテモテなうと送ろうかしら」
「やめろよ! それに、止めろよ! 俺の母親なら!」
そんな、俺の激しい突っ込みは母親には無視され。
何故か、滅茶苦茶楽しそうに見ていた。
本当に、うちの母親のそう言うところは直ってほしい。
何で、ドロドロ昼ドラ見るみたいに息子の恋愛を見てるのだろう。
これが、母親のやることか。
そして、暫くして明日決着をつけるとお互い和解して、幼馴染みは母親と帰っていき。
看護師のお姉さんは、ナース室に帰っていった。
正直言って、バチバチにお互火花を散らしていたので、俺は何だかなにもしてないのに疲れた。
「……斎藤君は……私のものだから」
そう言い、杪夏は起きてるときずっと腕を掴んで離さなかった。
俺は、何でこんなに好かれるのか分からず。
何だか、いつもの倍は疲れてすぐ夜になると寝てしまった……
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