8日目 子猫と美少女
何だか、今日は気分が良かった。
まあ、その理由はあのうるさい母親とツンデレ幼馴染みがいないから、後バカな同級生も。
俺は、そんな静かなひとときを楽しみながら何もない平和な時間を優雅にすごす。
だけど、杪夏を見たら何か目をそらすし明らかに怪しい挙動。
まさに、挙動不審とはこのこと。
何か、あるんだな~と予想はつく。
意外に、杪夏も表情でよめるんだな心が。
「何か、あったの?」
「……別に、何もないわ……」
絶対に、嘘だと分かる。
大量の汗をかいてたし、目を俺からそらす。
明らかに、バレバレな態度。
ある意味、これでバレないと思ってるのが凄い。
やっぱり、杪夏も感情ってのはあるんだなと思う。
今まで、そんなそぶり見せなかったからこう言うのは新鮮だ。
「ニャ~オ……」
何か、猫の鳴き声が聞こえたような気がしたが気のせいか。
だが、それは気のせいでもなんでもない。
ずっと、その鳴き声は連続的に聞こえたから。
「……四季さんって……猫が好きなの?」
「……何を言ってるの……」
また、目をそらした。
明らかに怪しい、布団もごそごそと動いたので。
だから、俺は布団をめくる。
そこには、子猫がいた。
「四季さん? これって猫だよね?」
「……何を言っての……これはぬいぐるみよ……」
明らかに嘘だ。
杪夏は、嘘が下手のだな俺はこの時始めて知った。
誰が、どう考えても紛れもなく子猫にしか見えない。
こんな、ぬいぐるみないでしょ。
いま、杪夏はご飯与えてるし。
だが、俺はそんな事はどうでも良かった。
猫をあやしている、杪夏を見てるだけで満足だからな。
これが、アイツら同級生の男達が言っていた萌えか。
なかなかいいもんだな。
こう言うのも。
その後は、何とか朝食取りながら杪夏は子猫を隠す。
俺と杪夏は朝食を食べ終えて、看護師から子猫を隠しとおす。
暫くして入院してる子供達が来て、一緒に子猫を可愛がるそんな風景を見て俺は癒されていた。
正直、看護師のおばさんとねぇちゃんに見付からないかとヒヤヒヤしたが、どうにかことを荒立てずにすみそうだ。
「ところで……その猫は、何で要るの?」
俺は、ぎもんにしていた事を口にする。
「斎藤君……実は、散歩してる時に偶然見付けたの……それで、弱っていたから助けて。どうにかしようとは思ったんだけど……どうにもならなくて……ここで、秘密して育てる事にしたの……」
俺は感動した。
その、杪夏の優しさと性格のよさに。
こんなに、いい女の子は要るのだろか。
いや、いない。
だからこそ、価値があるのだと思う。
「それより、その子猫は普段どうするの?」
「そこに、寝床があるでしょ……夜はいつも寝てるわ……」
気が付かなかったが、何故か猫が入れそうな穴があるクッションがそこにはあった。
良く見付からないものだよ……
ある意味、堂々と置いてあって凄いものだ。
「ところで、子供達は四季さんが猫をこそっり飼っていのを知っていたみたいだけど……他に、誰がそれを知っているの?」
「他には、お父さんやお母さん……実は、看護師のおばさんとあなたのお母さんも知っているわ……」
ほとんどの人は知っていたことらしい。
俺と看護師のお姉さんだけだな、その事実を知らないのわ。
ああ、だから看護師に知らずにすんだのかと納得する。
「だけど……私は、早くこの子の新しい飼い主になってくれるひとを見付けたいと思ってるわ……」
それは、本音だった。
だけど、何処か寂しそうにしてる杪夏の顔を見ると、何となく心が痛む。
どうにか、子猫の新しい飼い主が見付からないものかと。
「ああ! ジュピター! 何処へいくの!」
子猫は、走ってどっかに行ってしまった。
不安そうな、杪夏は美しいが俺は笑顔の方が見たい為に、どうにか子猫を探すと言い。
母親にライムを送り、どうにか車椅子を借りて母親に押して貰いながら、子猫を探すとメッセージを送り返す。
一時間くらいたち、母親が来て子猫を探す為に車椅子を持ってきた母親と、何故か杪夏の父親と母親もいた。
「え? 何で、杪夏のお父さんとお母さんもいるの?」
「それはだな……娘に言われたら、断れなかったんだよ……今まで愛情を送れなかった罪滅ぼしだと思ってくれ……」
「私は……お父さんに言われたから……まあ、杪夏とお父さんが心配だから……」
その、表情と態度からは以前のような面影がなく。
娘を思い大切にしたい、父親と母親そのものだった。
「まあ、いいです! それより、子猫を早く探しましょう! どこか、危ないところにいってしまっては遅いので!」
俺らは、とりあえず。
俺と母親、杪夏の父親、杪夏の母親で別れて子猫を探す事になった。
何とか、探し出そうと悪戦苦闘するが。
その手がかりもなく、日が暮れそうになる。
「いったい……何処にいるんだ! 子猫はわ!」
「私も、分からないわよ……ハァハァ……そんなこと……」
母親は、俺の車椅子を押しながら捜索していた為か、息が上がる。
そして、杪夏の父親と母親と合流するが見付かってないそうだ。
その時、猫の声が聞こえた。
「母さん! そこの茂みに声がする!」
「ハァハァ……人使い荒いわね……ハァハァ……あんたわ」
文句を言いながら母さんに茂みに連れていってもらい、何とかジュピターを見付けた。
そこで、ジュピターは気持ち良さそうに寝ていた。
全く、お騒がせな奴だな。
「とりあえず、母さんと俺は杪夏の元に行きます……すみません……忙しいときに」
「いや……いいんだ……娘が喜んでくれるなら……」
そう言って、杪夏の父親は帰っていった。
杪夏の母親も、その後をついていって帰っていく。
その、父親の背中からは前のような冷たい感じはせず。
娘を大切に思う、立派な父親の背中だった。
「杪夏のお父さんも……変わったんだな……」
「そうね……親ってのは……子供が可愛いのよ……こんな、親をこき使う親不孝な子供もね!」
いま、それを言う母親は空気を読めてない。
だけど、なんとなく親としの勤め的な物は果たしてると思う。
本人に言うと、調子にのるで言わないけど……
そして、そんなこんなで猫騒動は終わる。
夜、子猫の事が余程心配だったのか。
寝るときは、一緒に寝ていた。
そんな、猫と杪夏の寝顔を見ると何だか今回頑張って良かった思った。
いつまでも、こんな日々が続けばいいと思う。
そんな、ひとときの幸せを楽しむ……
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