7日目 ツンデレ幼馴染みが俺を好きなった理由

 杪夏は、あれからも立花の事を考えると機嫌が悪くなるらしい。

 それはそうだ、立花から一方的に言いがかりを付けてきたのだから。

 それにしても、杪夏は怒っていたとしても顔色を変えず、眼光の鋭くなるのか。

 そう思うと、一緒になるとその顔でずっと睨まれるとか怖くて何も言えなくて死ぬな俺なら。

 別に、杪夏と一緒になれるとかは思ってないけどね。

 本当だから。

 そう、心の中で否定していた。


「あの~四季さん? 今怒ってますかね?」


「……怒ってないわよ……ただ、何で立花さんが私に対して。ああいう、行動を取ってきたか考えていただけよ……」


 そうか……

 俺は、てっきり杪夏はああいうタイプが苦手だからイライラしているかと……


「……あ~……やっぱり、立花さんを見てるとイライラするわね」


「やっぱり! 怒ってるじゃん!」


 俺は、激しく突っ込みをかまして。

 看護師に、朝食を運んできてもらい食べる。

 杪夏は、ずっと考えているようで全く朝食にはてをつけていない。


「どうしたの? 杪夏ちゃん? 具合でも悪い?」


「……いえ……すみません……ちょっと、斎藤君の、幼馴染み立花さんの事をかんがえてまして……」


 看護師のお姉さんは、杪夏の話を聞くと俺の方を見てため息をつく。


「……はぁ……あなた、また幼馴染みと何かあったの……」


 確かに、看護師のお姉さんには立花の事を相談したことはあったが。

 それは、立花に嫌がらせを受けたり。

 俺に、平気で嘘をつくのでどうしたものかと言う内容だ。

 まさか、昨日俺の事があんなに気が狂うほど好きなんて思わないだろ。


「いえ……前のこととは違うんですよ」


 俺は、起こった事を話すと看護師のお姉さんは嘘と言うばかり信じない。


「あはは!! あなたが、幼馴染みの人に好かれていたとか。ありえないでしょ」


 看護師のお姉さんは、俺に大して失礼な発言をする。


「失礼ですよ! 俺だって、別に嘘を言ってモテようとしてませんよ! それに、最初は嫌がらせをまたやるのかなと思っていたましたよ!」


 看護師のお姉さんは、額に汗をかき開いた口を必死に使って喋る。


「……それって……本当なの……」


「だから! 本当ですって!」


 看護師のお姉さんは、何故か悔しそうに爪を噛みながら俺の顔を見る。


「あなた……何で、そんなに女の子に好かれるのよ。私なんて……うう……何回も、マッチングアプリとか使っても出会いないのに……あなたをみたいな子供が、モテるなんて悔しいわよ!!」


「……いえ……立花にしか、好かれてないので。別に、モテてませんが……」


 看護師のお姉さんは、本音と思ってる事をつい言ってしまう。


「だって! 杪夏ちゃんもあなたの事が好きなんでしょ! どう考えてもモテてるじゃない」


「え? そうなの?」


 俺は、杪夏の事を見ながら反応みる。


「……特に、好きではないわ……まあ、人として立派で好きだと思うけど……」


 俺は、落ち込んだ。

 だって、好きな子が俺に対して好きじゃないとか言われれば落ち込むよ。

 俺は、ショックで俯く……


「まあ、そうよね。あなたの事を好きな女の子は滅多に居ないわよね」


 いやいやいやいや……

 看護師のお姉さん、それは何の励ましにもフォローにもなってないから。

 むしろ、心の傷をえぐっているから。


「……ただ……」


 杪夏は、さっき言ってた何かを修正するようだ。


「斎藤君みたいな、人として素晴らしいひとを立花さんみたいな何か欠落していて嘘をついたり傷付けたりする」

 

 俺は、意外で驚く。

 あの杪夏は、意外と俺の事を良く見てるところに。

 いきなり扉が開き、そこには立花が現れる。


「ちょっと! 四季さん! 失礼よ!……それに、創が優しいのはしってるし……」


 何か、小声で言われたような気がしたが何を言ってるのか分からなかった。


「え? 立花? 何って?」


 立花は、俺を睨み付けて眉間にシワを寄せて怒っていた。


「何でもないわよ!」


 何かを思い出して、立花は俺に話しかける。


「ちょっと! 創! 話があるから、外へ行くわよ! 四季さんはそこに居てね」


「おい! 俺は足怪我してるから歩けないって!」


 良く見たら、立花は車椅子を持っていた。

どんだけ、用意周到なんだよ。

 明らかに、こうなることが分かっていたようだ。



 そして、俺は車椅子に乗り病院の広場につくと立花は話始まる。


「私ね……あなたは、初めて会うときは何とも思ってなかったの。だけど……中学生の時……私は、どっちらかと言うとおとなしい性格だったの……だから、女子からはブリブリしていると思われて……男子からは、なめられてた……虐められる事もあったの……」


 俺は、立花がそんな事があったのを知らなかった。

 その時から、サッカーの事しか考えていなかったから。


「そんな時だった……創は、皆にそんな事を止めるよう言ってくれて。気にかけてくれた……その時から、創の事が大好きになった……だから! 四季さんに、取られたくないの! 私だけの、創を知られたくない! 私だけ、優しい創を知っていればいい!」


 なるほどな……

 立花は、俺の優しさを独占したかったのか……

 誰よりも、俺の事を知っていると言うことか。


「後! 言うけど! 私は、あなたの事は別に男しては好きじゃないけどね! 人としてよ! 人として!」


 何か、滅茶苦茶説得力がない発言だな。

 どう考えても、俺の事が大好きだけど素直なれないツンデレの典型的返答だろ。

 

「うん?」


 俺は、何かに気がつく。

 そこには、同級生の男達がいた。


「いや~立花可愛いかったな」


「そうそう、何か萌えたわ」


「うぎぁぁ!!」


 立花は、同級生の男達に襲いかかり追いかける。

 同級生の男達は、逃げ回る。

 その後、母親がひょっこり現れて謝るも全然反省してる態度ではない。


「ごめん! 創! お母さん、つい出来心で!」


「どうするんだよ! これもう、収拾つかないぞ! それに、あんた反省してないだろ!」


 俺は、ババアに怒りを感じる。

 何で、いつもあんたは揉め事を起こすんだよと。


「ツンデレ可愛かったよ」


「そんな事、言うなぁぁ!! 違うわぁぁ!!」


 いつも、揉め事を起こす母には呆れる。

 何で、こうなってしまうのか。

 最近、何かトラブる多すぎないか。

 何か、気のせいではない気がする。

 俺は、今日一日疲れはてこの日はずっとベッドで寝ていた……

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