6日目 ツンデレ幼馴染みと好きな美少女
俺は、あれから過去を思い出しながら立花桜が何処から好きになったのか。
何故好きなったのかを、考えるもいっこうに思い付かない。
俺は、嫌われてると思っていたし。
むしろ、軽蔑されてる。
あの立花が俺に惚れてるとか、今までの過去を思い出してもそんなところはなかった思う。
まあ、所々偶然会う事は多かったが……
そう考えていると、母さんからライムが届き書いてあった内容に驚愕する。
そこには、立花が俺に惚れていたのは子供の時から知ってらしくて、母さんはあえて言わなかったとか本当に黙っておいて欲しいと言われてたとか何とか、と言う書き込みだった。
確かに、アイツの性格的に自分から折れて俺に告白とか絶対に出来ないわな。
ましてや、俺みたいな大して女子から人気ない奴の事を好きとか、言えるわけないな。
そして、また母親がライムを送ってくる。
何で、昨日立花が来たのか分かるかと言う理由を聞いてくる。
だけど、俺には全く想像付かなかったから分からないと答えると……
母親は、ライムの中でため息をはき。
立花が、母親に俺が杪夏の事が好きだと言った為にそれが気に食わないと言うことで。
だから、昨日来て杪夏を睨み付けいように突っ掛かてきたのか。
だとしても、何で学校に要るときあんな事を言ったり、俺に対しての扱いが酷いのは何なんだろう。
「……それは、ツンデレよ……」
杪夏の口から信じられない言葉が発せられた。
「え?……ツンデレ?……」
俺は、口が開いて閉じない。
「俺の事が嫌いで、不快じゃないの?」
「……女性が本当に嫌いなら……あまり関わらないし、そんな機嫌悪くなるのに。あえて、関わるのは好きだから……」
その発言は、本当に意外だな。
だって、杪夏は今までそんな恋愛の話をしないと思っていたからな。
「……と、本に書いてあったわ……」
「本を見ただけかよ!!」
まあ、それはそうだよな……
杪夏が、恋愛に詳しいわけないわな……
それから、何か知らないライムのアドレスからメッセージが送られてきた。
どうやら、立花から今日大事な話があるから病室で待っててほしとのこと……
マジかよ。
本当に、杪夏の言っていた事が的中しやがった。
何にせよ、俺も立花に聞きたい事がある。
だから、話をしないわけにもいかないからな。
とりあえず、午後二時ぐらいに俺の入院してる部屋に来るからとライムからメッセージが送られてきた。
俺は、了承してそれまで昼を食べて。
杪夏と、ちょっと本の事で話をする。
「ところで……あの、恋愛の事が書いてある本って。どんな本なんだ?」
「これよ……」
そこには、恋愛がしたい男恋愛の神に伝授されると言った題名の小説の本だった。
いや、どんな本だよ……
よく、こんなワケわかんない本を読めるな。
ある意味感心するよ、その杪夏の好奇心には……
「この本……なかなか面白いわよ……ふふふ……」
何か、杪夏の事を誤解していた気がする。
こう言う、本を読むタイプだと思っていなかったから。
俺も、杪夏の事を知らなかったと改めて思うよ。
やはり、見た目からでは分からない事もあるだなと思った。
この、如何にも真面目な杪夏があんな意味不明な小説を読むとは……
そう思っていると、時間は約束の二時を過ぎていた。
それから、一分ぐらい立つとドアが開きそこには立花がいた。
「おはよう……ふん!」
相も変わらず、立花の態度はツンデレキャラそのものだ。
どうやら、杪夏の予想は当たっていたらしい。
杪夏は本当に凄い、こんな意味不明な事も的中するのだから……
「早速……ライムで言っていた事を話すわ……」
病室に、緊張感が走り。
立花の顔は、真剣そのものでいつものような俺に対する嘗めた態度はない。
「わたしは……創の事が好き! だから、杪夏ちゃんとは別れてほしいの!」
「え?……今、俺が杪夏と付き合ってると言った?」
俺は、自分の耳を疑った。
それは、立花が俺の事を好きだと言うことよりも、杪夏と付き合ってると言う話しに。
「……俺は、杪夏とは付き合ってないよ」
「……はあ?……」
マジで、立花がそんな事を言ったのか分からなかった。
一言も、俺が杪夏と付き合ってるとは言ってないし、そんな話しはしたことはない。
「だって! 創のお母さんがそう言ってたから!」
あのババア、そんな事を立花に言ったのかよ。
空気読めないとは、思っていたが。
わざわざ、この立花が俺の事を好きだと知っていて、杪夏と付き合ってるって嘘付くとは……
本当に、どうしようもない母親だ。
どうせ、杪夏の事がお気に入りだから。
立花と、付き合うのを阻止したかったに違いない。
別に、そんな事をしなくても答えは決まってるがな。
「すまない……後で、母親は叱っておくよ……ゴホンゴホン!……」
俺は、咳払いをして告白の返事をする。
まあ、答えなんて物は最初から決まってる。
「俺は立花とは付き合えない……」
立花の顔は、どんどん青ざめていく。
「なんで! なんで!……う!……うう……」
いよいよ、立花は泣き出してしまう。
無理もない。
俺も、杪夏に断られたら多分立花なんか比べ物にならないくらい、落ち込み叫ぶだろうし。
「杪夏さんが……可愛いから! 私が、意地悪するから! うるさいから! 私の方が頭が悪いから! 才野がないから! 病人じゃないから!」
「……う~ん……全部違う……」
立花は、頭を抱え暗い表情になってしまう。
「だったら……何なのよ……何が足りないのよ……うう……」
立花は、混乱してるみたいだ。
無理もない、好きな人に振られて理由が分からないのだ。
だが、俺はそれでも引き下がるわけにはいかない。
ここで、有耶無耶にするのは自分にとっても良くないから。
「立花は……俺のタイプじゃない……何なら、俺が一番嫌いなタイプの女の子だ……だから、立花とは付き合えないし。一生付き合わないと思う……だけど、立花は人を一途に思い好きになる人だ……きっと、いい人がみつか……」
俺が言い終えるよりも、立花が俺の方へ涙を流しながら顔を向ける。
「いい人なんていない! 創じゃないと無理だもん! 分かってる癖に……どうせ、杪夏ちゃんの事が好きなんでしょ! 分かってるよ! そんなこと! だけど……うう……私は、諦めない! 絶対に、四季さんに負けない!! 今度は、絶対四季さんに勝って。創を奪いとるんだから! 覚悟しておいてね! 四季……杪夏!」
何だか、余計に事態が荒れたような……
やはり、俺が火に油を注いだのか。
「……いいわよ……あなたは、私もあまり好きじゃないもの……」
「私だって! あんたみたいな、可愛いそうな女の子のふりして。創の気を引こうとするところは大嫌いだけど! ふん!」
何か、これ不味くない。
とりあえず、止めるか……
「あの~……二人とも、落ち着いて……ね!」
二人は、俺の方を睨み付ける。
「創は、黙ってて!!」
「……斎藤君……少し、静かにしてもらえるかしら……この人と話してるから……」
「はい……」
そのまま、思い空気が流れて。
暫くたって、また杪夏と決着付ける為に病室に来るといい、立花は帰っていった。
その後、俺と杪夏は気まずい雰囲気が流れて何も話せない。
本当に、どうしてくれるんだよ。
あのババアわ。
夜寝る時も、俺は先ほどの事を思い出してなかなか寝つけなかった……
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