5日目 バカな同級生と幼馴染み

 杪夏は、あれ以来よく話を聞いて話すようになった。

 俺も、やっといい入院生活を送れるってもんだよ。

 そんな時だった、電話が鳴り。

 久々に、同級生からライムが送られてくる。

 そこには、今日お前のところに皆で見舞いにくるからな、と書いてある。

 何だか、怪しかったのでライムで何で今来るんだよと普段来ない癖にと送ると。

 べ、べ、べ、別に見舞いに行きたいから行くだけだよ何を言ってんのと、明らかに何か別の目的があるんじゃないかと思うと、コイツら同級生に大して信頼は出来ない。

 普段の行いで感ずかれないとでも、思っているのか。

 どう考えても、可笑しい……

 だって、この頃全く来なかったから何でそれで怪しまれないと思ってるの。

 まあ、俺の学校はバカばかりだから嘘つくの滅茶苦茶下手のは分かるが、これで何もないと俺が思うわけないだろ。

 人をバカにするのも、いい加減にしてほしい。

 こんな朝から、クソライム送ってくるとか頭が病気なのか。

 誰でも、この状況ならそう思うだろ。

 言っておくが、俺が見舞いに来て欲しくない訳ではない。

 母親には、ちょっとは感謝してるし。

 同級生と雑談で暇潰ししたい。

 正直言って、入院生活は退屈そのものだ。

 だけど、いつも来ない癖にいきなり来たいとか言うとか、何かあると思うのはむしろ必然。

 これで、俺が後ろめたい事がないとか思ってるのだったら、自分が頭の病気だと思うわ。

 本当に、その自信はどこから出てくるんだ。

 ある意味、本人達に真っ先に聞いてみたい。



 俺は、とりあえずいつもの大して旨くない病院食を食べる。


「相変わらず、不味いですね!」


 俺は、病院食を持ってきた看護師のねぇちゃんに言うのだが、何か血管が浮き出て大変俺の言葉に怒りを覚えていた。


「不味くてごめんね! とりあえず、明日もっと不味いのを用意しておくから!」


 俺は、その笑顔で目が笑ってない看護師ねぇちゃんに恐怖を覚えたので、謝るが決してビビってるからではない。

 な、な、な、ないからな。


「すみません! 許してください! 綺麗で優しいお姉さん!!」


「まあ! 今回は、許してあげるわ~だけど……今度言ったら……許さねぇからな……」


 とりあえず、あの看護師のおばさんが一時言っていた、この看護師のねぇちゃんがヤンキーなのは本当なのかもしれない……

 そんなやり取りをしていた俺だったが、杪夏は冷静に上品に食べていき、ちょっと遅いが食べ終えて本を読む。


「後……また、食べ物トイレで吐かないでね! こっちが困るから! それと、隠れてお菓子とか食べるのも禁止だから」


 ちっ、感ずかれていたか。

 バレないと思った事が、この人にはバレバレだったらしい。

 多分、と言う事は母からお土産に菓子を混ぜて貰ってる事もバレてるな。

 クソ、これじゃあ入院生活何を楽しみにすればいいんだ。

 最初に、入院したときゲームを持ってきてやっていたが、夜見まわりで何か布団が明るくてバレたし。

 何もやることが出来ない。

 大体、今時普通にパソコンやってる人だっているのに、何で俺のゲームは駄目なんだよ。

 可笑しいだろ。

 しかも、ゲームをやってはいけない理由が。

 他の子供が、ゲームを買って貰えないからだ。

 この時代に、そんな子供居るわけないだろ。

 それに、アイツらゲームやっていた時あったぞ。

 まあ、俺が夜中もゲームやるから悪いがな……

 そんな事を考えてると電話が鳴る。

 内容は、病院の場所って何処と言うライム。

 何度も何度も、ライムライムライムと鳴りウザイ。

 どんだけ、コイツらバカ何だよ。

 しかも、スマホあるなら俺の病院の場所ぐらい登録出来るだろ。

 多分、一生使わないと思ったのだろう。

 登録されてない悲しさより、コイツらの頭の悪さの方が勝ってしまい、何だか怒りが冷めてくる。

 内容を見たが、斎藤の入院してる病院って岐阜にあるの、とのライムだった。

 何でコイツら同級生のバカは、わざわざ俺が岐阜の病院に入院するんだよと呆れる。

 むしろ、県外の病院に行くことってあるかと聞きたい。

 とりあえず、愛知県に決まってるだろ、お前らも愛知県出身だろうがと返しておいた。

 本当に困った奴らだ。

 これで、まだ自分らが嘘がバレないと思ってるのが凄い。

 ある意味、その自信俺にも分けて欲しい……



 そして、暫くたち。

 また、ライムが届くがその内容は母さんの物で同級生に病院の場所を教えたのだ。

 ふざけるなよ、あのババア余計な事をしやがって……いつか、仕返しするからな。

 その後、また母さんからライムが届くがあなたの幼馴染みの同級生女の子が来るらしいからと言うをメッセージを残す……

 だけど、何故かこの一文を送ってきた。

 お母さん、あんた全然モテないと思ったら幼馴染みの同級生の女の子、立花桜たちばなさくらちゃんが好きだなんて……

 あんたも、すみにおけないんだから~と書いてある。

 このババアだけは許さん。

 絶対に、将来老人ホームに入っても会ってやらないからな。

 覚悟しておけと、心の中で誓う。

 にしても、何であの俺に大してだけ酷い事を言う、立花が俺の事を好きになるんだ。

 全然分からんぞ。

 滅茶苦茶不思議だ……

 これも、何かワナがあるんじゃないか。

 


 一時間ぐらい立つと、ドアが開いてそこには先ほどライムをやっていた同級生がいた。


「久しぶり~元気してた?」


 いやいやいやいや、元気じゃないから入院してんだよ。

 どうしたら、その言動を重症で入院してる奴に言えるんのか激しい聞きたい。

 とりあえず、突っ込むか……


「元気なわけないだろ! いい加減にしろよ! 相変わらずだな!」


「何だよ~大したなさそうじゃん」


 どうしたら、この右足包帯グルグル巻きになってる人間が大した事ないって言えるのか問い詰めてぇ~。

 そんな俺の言動とは裏腹に、同級生は何故か杪夏の方に集まっていく。


「君が、四季杪夏ちゃん? 初めまして、創の同級生です! よろしく~」


 同級生の男どもは、ニヤニヤと薄気味悪い笑顔を浮かべていた。

 薄々分かってはいた、何かあるって……

 だけど、杪夏の事だったのかよ。


「何で、お前ら杪夏の事を知ってるんだよ!!」


「ああ……それなら、お前の母親がライムで今なら創の見舞いに行ったら。可愛い女の子が居るよと言われてな……グヘヘ……」


 あのババア、そんな事を言ったのかよ。

 ライムを見ると、ごめんね~何だか寂しそうだったから可愛い女の子が居るからいいよと送っちゃったと書いてあった。

 ふざけるなよ、ババア。

 何で、わざわざ俺が杪夏の事を好きだと知っていて、こんなスケベな事しか頭になさそうな同級生に教えるんだよ。

 それに、俺も可愛い女の子が見舞いに来るならいいけど……って、良くない良くない危うく母親にこんなあれなライム送るところだった。

 俺は、何とか平常心を保つ。

 

「あの……迷惑なので騒ぐ止めて貰えます? それに、あなた達みたいな何か薄っぺらい人達は嫌いです……」


 同級生は、杪夏の逆鱗に触れたらしくておもっいきり鋭い眼光で睨まれ、先ほどの傷付くであろう言動によって、何か顔が青ざめていく。


「何だよ……創……お前の母親が言っていた情報と違うぞ……滅茶苦茶怖いんだけど……」


 同級生の男どもは、汗を滝のように流しはじめて顔色が悪い。

 だが、杪夏はそんな俺の同級生を見ても睨むのを止めない。

 よほど、腹が立つのかずっと眉間にシワを寄せたままだ。


「俺たち帰るよ……じゃあな……もう二度ときません……」


 そう言って男どもは、皆帰っていた。

 多分、二度と俺の見舞いには来ないな……

 そう思っていたが一人だけは、そこに残っていた……

 その同級生は、母親が話していた立花桜。

 俺の幼馴染みで、なんか俺の事が好きとか何とか言っていたが大抵嘘だろうと思う。

 何故なら、この立花は学校にいるときいつも俺に突っ掛かてきて、俺が話をしてきても怒るは無視してくるので、嫌いなのだろう……

 俺は、母親が自分の事を立花が好きとか言っていたのは信じられない。

 だって、ほとんど嫌がらせしかされてないんだ。

 特に、暴言のあんたなんかどうしようもない男だから、女子は私しか相手にしないわ、私しかねは本当に傷付く言葉だった……

 あの時は、心に傷をおって本当にクラスの女子からそう思われてると思ったからな。

 後から聞いたが、女子からは認識すらされてなかったって……

 そっちの方が辛いわ。

 何を思い出してんだ。

 それより、立花が俺の見舞いに来たのを聞かなくてわ。


「ところで……立花さん……何故俺の見舞いに来たの?」


 立花桜は、顔を赤くしながら学校にいる時より怒っている。

 しかも、俺の顔を見ないようにそっぽを向いて。


「仕方ないわよ! あんたの見舞いに来る女子なんて、私くらいしか居ないんだから! 感謝しないさい!」


 だから、何で俺が立花に怒られなきゃいけないんだ。

 そこがマジで分からん。

 立花が何で怒ってんのかも……

 

「いい加減してくれます……立花桜さん……」


「なによ? 何か文句あるわけ? コイツを何しようと私の勝手でしょ。それに、私の創を取らないでくれないかな!」


 いや、いつから俺は立花の所有物になったんだよ……

 言ってる事、滅茶苦茶でお前にはついていけん。


「ごめんなさい……勝手に大好きな彼を取ってしまいまして……」


「大好きじゃないわよ! それに、べ、べ、べ、別に好きでもないわよ! ただ、私の物が取られるのが嫌なだけ!」


 お互いに、にらみ合い一歩も譲らない。

 この戦いは、一時間も続く。

 何も言わないから、余計に俺までも緊張する。


「あ! いけない! わたし、これからやる事あるんだった! 帰るわ! だけど……あなたと決着付ける為に、明日も来るから! 言っとくけど、決して創と会いたいとかじゃないからね! バイバイ! また明日!!」


 立花は、帰っていた。

 結局、立花がなんで俺の見舞いに来たのか分からない……


「何で、来たのかな~立花~」


「はぁ~……そんなのは、斎藤創君が好きだからよ……」


 どういう事だ……

 だって、立花からは嫌がらせと暴言しか吐かれてないぞ。

 しかも、クラスの女子が俺の事を嫌ってるのは嘘だったのに。

 マジでそんな事をする、立花が俺の事を好きだなんて信じられん。

 俺は、今日一日今までの事を考えてみたものの好きだと言う場面は想像もつかなかった…… 

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