最終選考のレベル

A「次の横溝賞は、最終選考に残った作品はカクヨムさんで公開らしいすけど。それってどうなんすか?」

Z「選考委員に受けなかった作品がハネる可能性はなくもないのかなぁ、と。それはそれで痛快というかドラマチックではあるんですが。でもやはり、プロの書き手が選らばなかった作品にはなるんですけど」

A「ぶっちゃけ、選考委員なるものにどれだけ信用をおいてますか?」

Z「これはおべっかでもなんでもなく、信頼してますよ、少なくとも横溝賞に関しては。向こうはプロですから。書き手として一流というのは読み手としても一流というのが私の認識です」

A「最終選考まで残ったけれど受賞できず、デビューできず、賞金も得られず、担当編集者がつくわけでもなく、ただただタダで原稿が選考委員でも編集者でもない素人に読まれてしまって『つまんねー、なんでコレが最終選考に残っているんだよ』と匿名の人に揶揄されることに文句はないですか?」

Z「うーん、を煩悩の数の自乗して、『まぁ、しゃあないよね』ですかねぇ。そういうルールですってことは一応、オープンにされているわけですし。『知らなかった』や『嫌だ』の人もいるはずですし。新人賞って、常連がいるんですよ。最終選考で何度も名前が出ている人っているんですよ。正直、最終まで残れたらデビューは運次第のレベルな気がします。横溝賞や乱歩賞は。純粋に作品自体の完成度もそうですが、デビュー後にきちんと出版社に売り上げを持ってこられるかみたいな作家性みたいなものがまったく度外視されているとは思わんのですよ。瞬間最大風速がデビュー作という不幸もあるわけで」

A「それっておかしくないすか? コンテストなんですよ。瞬間最大風速を競っているんじゃないんすか? なんで応募作単品でなくて、今後の伸びしろみたいな要素が加味されるんですか? M1だって、キングオブコント、R1だって、決勝は一発勝負でしょ? 当日の客席から笑いは起きなかったけれど、将来性とか、当日に発揮できなかった力を加味して審査してチャンピオンを決めますって、そんなん納得いきますか? レギュレーションはちゃんとしましょうよ」

Z「お笑いの賞レースは、新人賞ではないので」

A「いやいやいや、いやいやいや、納得いかないですよ」

Z「M1もR1もキングオブコントも、名前を知られていない人のコンテストではないのですよ。小説の新人賞は、名前を知られていない人の祭典なんです」

A「さっき、常連がいると言いましたよね? そういう人たちの勝負じゃないんすか?」

Z「うーん、ややこしいなぁ。それまで一次通過リストにも名前の出てこなかった人が獲ることもあるんですよ。なんか、この企画、着地点を見失っちゃったなぁ」

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