応募要項を確かめたんですけど

A「横溝賞の応募要項をチェックしたんすよ」

Z「今さらですか」

A「一つ、いいですかね」

Z「よいですよ」

A「横溝賞の(応募に必要な原稿の)最低枚数って二〇〇枚(注 四〇〇字原稿用紙換算)なんすね。勝手に三五〇枚くらいだと思ってました」

Z「私が長編の賞だと三六〇枚でプロットを組むことが多いからですね」

A「短編って一〇〇枚じゃないですか」

Z「うーん、この企画は応募を考えているかたの目に触れるかもしれないので、雑な言い方やめてもらえますかね。短編の賞にもいろいろあるんですよ。まぁ確かに上限一〇〇枚というイメージで私は書いてますけど。それに短編はやりたいことに合わせてサイズを決めてますから」

A「雑に提案しますが、二〇〇って一〇〇足す一〇〇ですよね」

Z「二作書けと」

A「さすが名探偵」

Z「繰り返しになりますけど、この企画は公募にチャレンジする人のほうが目にしてもらえる機会があるはずなんです。書き飛ばすみたいな発言は失礼ですよ。このくだり、削除しないで載せますからね」

A「今のやつ書き終えたら、しばらく推敲まで原稿寝かせますよね。その間に書きませんか、二〇〇枚。こんなプロットというかアイデアなんですが」



しばらくプロットについてのプレゼンテーションと質疑応答



Z「なるほど、確かにそれなら書けますね」

A「しかも怖いでしょ」

Z「怖い、うん、というか理不尽。でも、こんなコンセプト、読み手は怒りませんかね。それに枚数稼ぎだと思わせないためには、それなりにボリュームをもたせないと」

A「このネタで長く引っ張るより、短くスパッとやったほうがよくないすか」

Z「書いている最中は他のアイデアがよく見えるから慎重に判断したいです」

A「二〇〇枚って、このネタに絶妙な枚数だと思うんすけどね。一〇〇枚じゃ無理すよね、この仕掛け。二〇〇って枚数設定の新人賞ってあります?」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る