Ｚ「狙って書くべきなのかね」

Ａ「ん？　なんすか？」

Ｚ「いや、書きたいものを書いて獲れないなら、獲れるように狙って書いたほうがよいものなのかな、と」

Ａ「いわゆる、傾向と対策ってやつですか？」

Ｚ「うーん、ちょっと違うけど、違いすぎてはいないかも。あると思いますか？　ケーコートタイサク(棒読み)」

Ａ「ない、と言い切りたいですけど、なくもないって感じしません？　選ぶ側はないって言いますし、言いたいみてーですけど」

Ｚ「おー、また怒られるようなことを。勘弁してください」

Ａ「新しさ、いや、目新しさは要求されてますよね。地力がないのはしゃーないし、そこは目をつぶってやるから新しいことをやれよ、みたいな。でも、地力があって目新しさがない作品を送りつけてくるせいで賞獲れない人なんて、今はいくらでもいそうなもんすけどねェ」

Ｚ「また眉をひそめられそうなことを」

Ａ「ヤバいと思うならカットすればいいだけじゃないですか。さじ加減って言葉、辞書でひいてください。割と言いたいこと言いますよ」

Ｚ「よくできただけの作品ならば、新人賞は獲れないのかもしれんね」

Ａ「すごい魔球しか投げられないやつもアウトなんでしょ、なんだかんだで継続してそれなりのクオリティの作品を出せないと賞はあげられないよなんでしょ、って感じもしますけど」

Ｚ「ドキドキしながら穏やかな方向に軌道修正すると、作品本位か、作家として活躍できるかもみられているかって話ですよね？」

Ａ「作品はものすげーけど、それがマックスという人に作家のパスポートを渡しますかね。応募作品のなかでナンバーワンを決めるのがコンテストのあるべき姿なんでしょうけど、新人賞ですからね。新人の発掘という側面はある。ちゃーか、側面でなく前面か」

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