書きたい話ありますか?

A「書きたい話、ありますか?」

Z「うん、ミステリーが書きたい、やっぱり」

A「てか、ミステリー以外、書きませんよね。書けないですよね」

Z「そんなこともないんですけどね。実をいうと、春先に横溝作品のマイナーなやつをまとめて読んで、やっぱり横溝先生は凄いと思ったんですよ」

A「具体的には? 作品名を挙げられますか? マイナーとか言っちゃいましたけど」

Z「支那扇の女。長編のほう。クリスティ的な技巧がよかった」

A「クリスティがやりたいなら、クリスティー賞でやるべきでは?」

Z「来年まで待てない。ちょっとネタバレ気味になるんですが、血縁と過去というか、犯罪は遺伝するかみたいな。そういうところが考えさせられた」

A「それ、クイーンのフォックス家では?」

Z「あー、あれもそうだね。新訳で読み直しているけど、あれ、いいですよ」

A「クリスティ、クイーン、横溝正史がやってるなら、焼け野原でしょう。種を撒くだけ無駄っすよ。令和の新人賞でやるべきネタじゃないでしょう。書きたいものを書けるのは売れているプロですよ。我々はその遥か手前にいることをまず認識しておかないと」

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