第13話 二度寝させてくれない来客
起きた時間は午前7時。インターホンの音が朝から家に鳴り響く。
こんな朝早くからだれだよ、もう……
ある程度外にでれる格好をしてから俺はドアを開いた。
「おはようございますっ!氷高くん!」
「あの、誰ですか?」
「ひどいですね、リカですぅ!
え、柏井さん?
学校ではポニーテールで髪をまとめていたのに解いてセミロングになっている。
学校と普段でのギャップがすごい……
「で、どうしたんですか? こんな朝早く。インターホンあんなに押したら捕まりますよ」
「いや今日はですね、早乙女さんが氷高くんの家が凄い楽しい所だって言ってたもので来ちゃいました!」
「いやいや、来ちゃいましたじゃないから」
「じゃあ来させていただきました☆」
栞め、余計なことを……
ここはテーマパークかなんかか!?
「じゃぁお邪魔しまーす」
「おい、ちょ!ダメだって!」
今勝手に上がろうとしたよね? アウトでしょ。
借金取りのやり方だから、それ。
それに今上がってもらうと家には琴葉がいるし色々と面倒くさい。
ここはオブラートに説得するしか……
「あの、今日家族がいるからさっ。帰ってもらえないかな? また今度ということで」
「へっ!? 家族が居ない時にってことですかっ!。まぁそうですよね、家族の前じゃ色々と恥ずかしいですもんね」
ちょっとこの子なに言ってんの? なんか嫌な勘違いされてるような……
「じゃぁ今日のところは
「うん。じゃぁまた今度」
はぁやっと少し落ち着ける……
せっかくの休みにあんなお嬢様が家に居たら身体粉々になるから、まじで。
大きく息を吸って布団に入り目を瞑ったと同時にまたインターホンの音がした。
またか……まだ帰ってなかったのかよ。
「おはよー、零!」
「へっ? どうしたの栞」
ドアを開けるとそこにはリカではなく栞が立っていた。
この間のカラオケの時よりは露出少なめのギャル。
「栞さんが遊びに来てあげました!」
「いや、来なくていいから」
「だってぇさぁー 零って毎日暇そうだしたまには私が甘やかしてあげよーかなーって」
暇そうとは失礼な!毎日勉強だってあるしラノベだって読みたいしアニメだって観たいんだからな? それにさっきから俺『零』って呼ばれてるような……
「まぁ今日は暇じゃないしこんな陰キャ男子と遊んでも楽しくないだろうから今日は帰ってくれ」
「えー零ったら冷たいなぁ。ウチなら零を沢山甘やかしてあげるのにさっ!」
「また今度にしてくれ」
「いやそこ否定しないんだー」
俺にも少しはギャルに甘やかしてもらうということに興味がある。
まぁギャルじゃなくてもいいんだけど。
栞も帰らせることに成功し俺は達成感と安心感で満ち溢れていた。
これで俺の家に琴葉が住んでいるということもバレはしないだろう。
はぁ……今度こそ、今度こそはゆっくりと休めるだろう。
ピンポーン。ピンポーン。
「うわぁぁぁぁああああ!!!」
「零くん!? どうしたの!」
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