第12話 カラオケデート
日曜日の朝。俺は朝一番に起きて録画していたアニメをリビングで
琴葉も母さんもまだ起きてこない朝の5時。
こんなに朝早い理由は、あまり親や彼女に見られたくないような内容だから。
まぁ琴葉には18🈲コーナ覗いてるとこ一度見られてるんだけどな……
アニメが終わりやることがなくなった俺はスマホを手に取って美少女放置ゲームアプリを開いた。その名の通り美少女を放置し育てるゲーム。
え、やったぁ!今週のガチャ、SRきたぁぁぁぁああ!!!
こういうゲームってレアなキャラほど布の面積少ないんだよな……デへっ
いくら成績優秀でいつもは真面目な奴でも一人の時は皆『変態化』してしまうものである。特に
そんな感じで気分アゲアゲアゲリシャスな俺のスマホに着信が入った。
開くと同じクラスの美少女ギャルで琴葉の友達の
『今日暇?』
『暇ならウチと一緒9時からにカラオケ行こうよ』
暇ではあるけど、コレって二人でってこと?
行ってもいいけど琴葉にバレたらまた正座させられそう……
念の為『それって琴葉も行くの?』と聞いてみると、『いいや、ウチと零君だけ』と返ってくる。
うむ、このお誘い行っても良いものなのだろうか……
まぁ友達としてなら行ってもいいのでは? それに俺と琴葉は仮の恋人ってわけだし。
「んー 零くん、おはよぉー」
「あ、もう起きたんだ。おはよう」
琴葉が起きてきてしまったぁぁぁあ!!!
先週の日曜日は11時に起きてきたのに今日早っ!
「零くん。なんか顔色悪いけどどうしたの?」
「い、いや。別になにも……」
「なんか隠してるよね。零くんが顔色悪くて
なんか分析されてるんだけど?!あなたメンタリストか何かですか?
ジト目で俺を
詰んだ俺は抵抗しても勝ち目はないと判断し仕方なく事情を説明した。
「ふーん。カラオケね」
「は、はい」
「それって密室の部屋で男女が二人っきりってことだよね」
「
「それって密室だから何してもバレないってことだよね」
「左様でございます!?」
「……いいよ」
「へぇ? いいの?」
予想外の言葉だったのでおかしな声が出た。
琴葉は俺の反応を見て笑いまた口を開いた。
「今回は零くんを信じてみますっ!でも栞を襲ったりしたらあの動画ネットにアップするからね」
笑顔でサラッと怖いこと言ってるんだが!?
こうして俺は琴葉にお許しをもらい栞とカラオケに行くことになった。
「零君おはー」
「おはよう、ごめん待った?」
「いやウチも今着いたとこー」
栞が指定したカラオケボックスに待ち合わせして会えたのは良かったんだが……
俺の前に立っていたのはーー『童貞を殺す』ニットセーターを着た
「零君ジロジロ見すぎ。そんな見られると恥ずかしいじゃん……」
……何故か罪悪感がすごいんですけど。
「じゃあ入ろっか」
そう言われカラオケボックスに入りなんとなくマイクを持つ俺。
理性を保つのに必死でカラオケどころじゃないんだが!?
俺がそんなことになっているとは知りもしない栞は一曲目を歌い始めた。
清らかな心を維持するのに精一杯で全然歌が入ってこない。
一曲目が終わって栞が『零君も歌って!』と言ってきた。
でも俺カラオケあんまり得意じゃないんだよなー
歌わないというのも悪い気がしたので俺は定番のアニソンを歌った。
点数は以外にも90点ジャスト。なんかよくわからんが『しゃくり』がむちゃくちゃ多いい。
「零君歌上手いじゃん!」
「たまたまだろうけど俺自身もびっくりしてる」
最初はどうなるかと思ったけど栞が楽しそうにするので俺もカラオケを楽しむことができた。
歌い始めてから二時間くらい経ち終了の10分前の声掛けがかかった。
「もう二時間経ったんだ。早かったー」
「そうだね」
腕を上げ身体を伸ばす栞。
最初よりは慣れたけどまだ目のやり場に困る。
流石『童貞を殺す』ニットセーター。
「栞っていつもそんな感じの服装なの?」
「違う違う。零君とデートだったから着たのっ!そんな痴女じゃないですっ!」
「だからってその格好は……」
「でも今日零君ずっとエロい目でウチのこと見てたじゃん」
そりゃ、あんな露出満載な服着て来られたら誰だって見てしまうでしょ!?
それにその服どこの店で買ったんだよ!? 絶対法的にヤバい店だろ。
「今日はちょっと頑張りすぎちゃったかな、サービスしすぎたかも」
なんか言ってることが
なんか朝から凄い疲れた、帰ったらもう一回寝よ。
こうして俺と栞の初めてのデートが終了した。
まっすぐ家に帰った俺はテレビの前のカーペットにぐったりとしていた。
するとまたRINEの着信音。誰なのかは大体想像がつく。
まぁ返信くらい返しておくか。
『零君のスケベ』
『(童貞を殺すニットセーターを着た栞の自撮り写真)』
「ぶはっ!」
「零くんどうしたの!? 鼻血出てるよ!?」
「うん、ちょっと床に鼻ぶつけたみたい……」
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