第11話 二度目の正座と体育見学
学校から帰って俺は琴葉に正座させられていた。
「零くんのバカぁっ!……あの女の谷間ばっかり見てデレデレしちゃってさっ!」
「ごめんなさい……」
だって柏井さんの胸超絶でっかかったから……
あんな窮屈そうな制服は見たことない。
「ふーん。零くんは私の胸よりも柏井さんの胸の方がいいんだ〜」
「いや、そういうわけでは……」
ソファーに寝転がり足をジタバタさせ俺にお説教をする琴葉。
なんか拗ねた幼児みたい……
「じゃあスケベで浮気症の零くんを脅迫しますっ!」
なんか楽しそうなんだが……
まさか危ない薬を俺に飲ませて地下で監禁したりとかしないよな。
琴葉ならやり兼ねない。
「……じゃぁ言うからね」
「うん」
「えっと、その……モジモジモジモジ」
「え? 琴葉聞こえないよ?」
「なんで聞こえないのぉ……もう言いません!」
「えぇー」
なんかよくわかんないけど琴葉の顔は真っ赤だった。
「なぁ零。お前はなんで見学してんだよ」
「なんか今日腹が痛かったから。ヤスはなんでなんだよ」
「俺は体育館でバレーするの好きじゃねーから」
小学生が言いそうな理由で体育を休んだこいつの名前は
「つーか見ろよアレ。隣で女子がバスケしてんぞ」
「それがどうしたんだよ」
「どうしたんだよじゃねぇ!!
「まぁ目の保養にはなるな……」
確かにあの大きさで走っちゃったら色々とヒャッハーだな。
ピッタリした体操服は童貞を殺しに掛かっている。
するとヤスがポケットからスマホを取り出す
「おい、お前なにやってんだ。先生に見つかったら単位落ちるぞ」
「まぁ落ち着けって、ちょっとだけ撮らしてもらうだけだから」
「それ十分犯罪だからな!?」
俺はヤスを止めようとしたがヤスの腕力が強すぎて陰キャの俺は弾き飛ばされる。
するとウォータークーラーの水を汲みに行っていた栞がヤスと鉢合わせた。
この状況はだいぶヤバい……
「ねぇヤス、あんたそのスマホで何撮ってたのさっ」
「へえ?!いやなんも撮ってないけどな〜」
「でもランプ光ってたんだけど。あんたまさか盗撮してたでしょ」
流石金髪ギャル。ヤスをズバズバと追い詰めていく。
「てか零君も零君だし!なんでこの変質者止めないの?」
「すみません……」
いや、止めようとはしたんだけどな!?
陰キャオタクの俺が元ラグビー部のキャプテンにフィジカルで勝てるわけないだろ。
「ねぇーヤスぅ。これ先生に言ったらどうなるだろうねー」
「えっ!? いや、それだけは勘弁してくれ!」
「んーどうしよっかなー」
女子ってこえぇー。何か弱みを握ると容赦なく脅してくる。
まぁ男子が大体悪いんだけど。
「まぁ考えとくから墓でも用意して待ってなー易しめにはしてあげるから」
おいおいおい!? それって絶対死ぬヤツだよな?
死亡フラグがあからさまに立ってんだが……易しめで墓用意するってどんな罰受けるんだ!?
栞はそう言うとバスケをしている女子たちの方へ走って行った。
ヤスはというとビビリ過ぎて立ち上がれなくなっていた。
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