新学期と日常
第10話 マウントがとりたい俺の彼女と美少女転校生の修羅
ん、ん。朝かぁ……
昨日は色々ありすぎて疲れた。
起きて時計を見たらもう午前十時。
階段を降りて顔を洗いリビングの戸を開けると美味しそうな匂い。
キッチンでは母さんと琴葉が仲良くクッキングをしていた。
「お母さん凄いです!!サバの味噌にが一瞬でできちゃいました!」
「でしょぉー 私もよくこうやってお母さんに教わったのよ」
「あっ!零くんおはよぉー」
いつになく我が家に活気がある朝。
俺はテレビを付けて興味もない報道番組をまじまじと見る。
『コレってさぁ、パワハラだよねぇ〜』
『グハグハグハグハ〜』
う〜 最近はパワハラとかセクハラとか色んな〜〜ハラスメントがあるんだなー
俺も気おつけよぉー
「零くん。ご飯だから手洗ってきて〜」
琴葉にそう言われ俺は脱衣所で手を洗う。
なんかこれ新婚さんみたい……
そういえば琴葉ってなんでここで暮らしてるんだ?
洗面所から戻った俺は椅子に座って朝食をとっている琴葉たずねた。
「それはねー栞に負けないため的な?私の方が零くんと一緒にいるんだもんって感じかな」
それってただマウントとりたいだけだろ!?
別にここに住まなくてもいい気がするんだが……
「まぁ零くんと一緒にいると楽しいし私は零くんのこと好きだからここにいるってのもあるしねー」
「へっ?……」
好きという言葉に思わず反応して変な声が出た。
琴葉は少しずつ顔を赤くし慌てて言った。
「ち、違うの!好きってのは友達としてだから!?」
「だ、だよなっ!琴葉こそ紛らわしい言い方するなよぉー」
まぁ友達として好かれてるのならいいよな。
なんか俺ちょっとだけガッカリしてる?
「あら〜あなた達イチャイチャしちゃってー」
「「してませんっ!」」
「あら、そう?」
この日は少し気まずい一日になってしまった。
新学期になり朝からやけに活気がある朝。
俺は朝のショートホームルームの前に一人ラノベを読んでいた。
「みんなぁおはよう!!今日は転校生が来てくれている!新しい仲間と切磋琢磨し東大へ行けっ!」
いつも以上にむさ苦しい
ん、転校生?
すると教室に髪の長い綺麗な顔をした女の子が入ってきた。
クラスが一気にざわつき始め男子がワイワイ騒いでいる。
まるで動物園。
「今日から皆と東大を……いや、皆のクラスメイトになる柏井リカ《かしわいリカ》さんだ!皆仲良くするように」
「
雰囲気はおとなしそうなお嬢様系か?
すると柏井さんが俺の隣の席に座った。
「柏井です。今日からよろしく」
「あ、うん!よろしく」
ホームルームが終わり一時間目が始まる前の休憩時間。
俺はいつものように琴葉と恋人のフリをしていると、
「あの、氷高くんはこの方とお付き合いしているの?」
「あ、うん。そーだよ」
「でしたらこの私ににのり換えてみてはどうですか?」
へぇ、どういうこと?ナニイッテンダこの人。
「だめぇっ!零くんはわたしの彼氏なのぉ!」
「でもあなたより私の方が相応しいかと……」
「この女ムカつく、零くん」
これってまた修羅場?
「あの……柏井さん。俺の事好きなの?」
うわぁぁぁ、自分で言ってて恥ずかしい……
なんか調子乗ってるハーレムラノベ主人公みたいじゃないか!?
(ハーレムラノベ主人公でも普通こんなセリフは言いません)
それに転校してきてまだ何も知らないヤツのことを好きになるなんてありえないよな。
「はいっ!私氷高くんのことが好きなんです」
「へぇい……」
なんだとぉお!? 今の言葉ボイスレコーダーに録音したいくらい嬉しい……
「零くーん。私という可愛い彼女がいるのにその女の谷間ばっか見てぇ……死にたいの?」
「ごめんなさい許してくださいもう見ません」
「見たんじゃん……キモぃー」
これは家でミッチリお叱りがありそうだな……
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