第39話 ネズミ
*グロ苦手な方注意!
SIDE:佐藤千秋
「くっ…。」
一体何で俺がこんな目に。しかもなんだこの部屋。真っ暗じゃないか。
とにかくここから出ねえと。早くしないとネズミがくる……。
そう思って探し始めたが、ネズミも出口も見当たらない。
「くそっ!どこだよ!ここ!」
そして10数分経った頃。ついに奴らが姿を表した。
キキッ……チチチッ………キュイッ………。
一体何体いる?暗くて見えない。
そう警戒していると、赤い斑点がそこら中に現れ始めた。
「な…これ…まさか………全部……⁉︎」
そのまさか。全てがネズミだったのだ。
「う、ウワァァァァァァァァァァァァァァ!!」
俺は半狂乱状態で逃げ出した。こんなとこ。一秒も居たくない!早く出ねえと死ぬ!死んじまう!
「急げ……急げ……急げ……!」
俺は走る。走る。走る。
そうして長い事走った後、足に力が入らなくなった。体力が尽きたのか?いや、それにしてはまだ体力はある。じゃあ何で……?
その答えはすぐにわかった。
俺の足が食われていたのだ。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああああああああああ!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああ⁉︎」
時すでに遅し。もう自分の足に群がられ、食われていっている。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああ⁉︎」
絶叫する。だが助けなどはない。
そして足が無くなった頃。急にネズミたちが離れ始めた。
「くっうぅぅ……痛ぇ………い”て”え”よ”お”お”お”お”お”!」
片足が無くなった事にショックを隠しきれない。もうすでにこの時点で精神はボロボロだった。だが、急に緑色の光に包まれ始め、少しづつ治り始める。
「……あ?」
段々痛みも退いてくる。
「まさか……女神様の
これなら……ここから出られるかもしれない。そう思ったが、現実は違った。
また、そこら中にネズミが出てきたのだ。
「なっ!嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
絶叫もむなしく、ただその体を貪られていく。
「うわぁぁ……ぐっ………ぐふっ……。もう……止めろぉぉぉぉ………。」
そして、どこかの部位がかけると、治され、また食われる。
それをずっと、何度も。何度も。何度も。何度も。繰り返す。繰り返し、繰り返し、繰り返し続ける。
そうして、二時間がたった。
「う………ウグァ…………ぅうううう……。」
顔が絶望に染まり切り、目が死に、腕も足もダラン、としている。
誰とも会えないこの空間で、絶望するななど、無理な話だ。
@作者
今回そこまでグロくできなかったのが悔やまれます……。
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