第34話 汚い話。

「言われなくても……やってやるよ!」

二度目の殴打。だが、


「まだヌルいな……。あの時の痛みほども無い……おい、今の方が強くなったんだろう?」

「あったりめぇだろ!それに、お前の肉体も変化してるんじゃなかったのか⁉︎」

「いや、それにしてもヌルすぎるぞ。弱い。あの時を少しも思い出す事が無い。どうした。やはり死は怖いか?」

あ?またグチャグチャになってやがる?クソ、脳内全部支離滅裂ぐちゃぐちゃになってやがる……。


「あぁぁああああウゼェ……。うっし…戻った。」

「は?何がだ?」

「お前に分かる訳ねぇだろ分かる訳ないじゃろ?」

ただ重く、睨む。


「「「(声が二重になった?)」」」

「良いか、お前らの教師を俺が殺した時お前はどう思った?」

「は?そんなの決まってるだろ。」

「お前がひとでなしって事だよ。それだけは絶対にわかった。」

「俺も二人と同じだぜ。」

……………やはりな。


「人を殺すとひとでなし、非人道、か。そか。わかった。じゃあ次の質問だ。とある国があった。そこの国でクーデターが起きた。その時、反乱軍は人手が足りなかった。じゃあどうやって補給したと思う?」

「は?なんで急にそんな問題を…。」

「良いからやってみろ。」


はっ、どうせ分からねぇんだろうな。よぉく分かるぜ。その顔見りゃあな。


「少年兵………(ボソッ)」

「へぇ……頭がよくそこまで回ったねぇ…。そう、まぁ正式には少年少女。男女問わず兵士にした。それにな、お前らが言ったその殺人をその時点でする。じゃあ誰を殺すと思う?答えてみ?」

「……………。」

「残虐な事に目を向けたく無いか。そうかそうか。」

「はいはーい!」

「あれ?お嬢様まで?」

「はい。多分ごにょごにょ………。」

「ビンゴ。合ったりぃ!」


まぁ、こいつらにとってはかなりきついかもな。


「何だと思う?」

「………………。」

「俺から出すのも面白く無いんだけどなぁ……。」

「友達か……?」

「え〜じゃあお前らは!」

「「……?」」

「………っ!お前!」

「おっそ。お前やっと一人だぜ?遅すぎるだろ。」

「やめろ。」

「では答えをどうぞ〜!」

ガンッ!


「痛いて。急に殴るなよ。という訳で、時間切れか。じゃあ答えは〜〜〜〜。








両親、家族、親族、いずれか、もしくは全てが該当されまーす。子供が自分の親や兄弟などを殺すと、他の人間を殺す事に躊躇がなくなるからな。考えてみな?よく、相手の気持ちを考えろ。いいか。お前の最愛の人は誰だ?母親?父親?兄?姉?弟?妹?なんだ?それを自分の手で殺すんだ。どういう気持ちになると思う?」


この話、実際に合った話である。じゃあ、俺は殺したのか?

いいや、殺して無いよ。


「んひっ♪不思議だねぇ〜。人間って。そういう作りになってるんだから。ま、俺はやって無いよ。じゃあなんでアイツを殺せたんだろうなぁ〜?後約30分しか無い少ない時間内だけの課題だ。ずっと考えときな。」


よぅし、一通り話したし。


「さ、続き。改めて、殺してみ?俺の事。」

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