第33話 試験。
脱出してきた黒雲たちを待ち、俺たちはある入り口の前に立っていた。
「どうせここに来るしか無くなるからな。まぁ、破壊式がある俺と、能力が封じられた生身の人間。どちらが勝つかは………明白だよなぁ。ンヒッ♪」
「………。そろそろ来そうです。一応警戒を。」
「ハァ、ハァ、ハァ……。」
「来たか。少し遅かったと思うけどな?」
「る……せぇ…。」
「「……。」」
「なぁ、お前ら生身で俺に勝てると思うか?」
「……やってみねぇと……分からねぇだろうがっ!」
「……はぁ〜〜。アッッホくさ。蛮勇?勇敢?無謀だろ?ったく、愚かじゃなぁ…。」
「「「「……?」」」」
「「「(何だ今の……。)」」」
「何怪訝な顔してやがる。…まぁいいか。それよりもっと大事な事もあるし。」
「お前らにハンデをくれてやるよ。能力を返してやる。条件付きでな。」
「あ?」
「切れてもいいが、ハンデはいらねぇのか?」
「……。」
「そうだよ、それでいい。」
はぁ…。全くアホだなこいつらは。
「あ、ちなみに条件は俺を殺す為に使う事以外に使え無い、だ。やってみな。お嬢様。頼みます。」
「わかりました。」
バチバチバチッ!
「チッ!」
「おいおい、早速ルール無視かよ〜。」
「なら今ここでぶっ殺してやるよ!」
あいつらが武器をそれぞれ持ち、俺に向けて攻撃を仕掛けてくる。
俺はそれを、
無抵抗で攻撃を受けた。
ガンッ!
「「「はっ?」」」
「チッ、多少は痛えじゃねえか。」
クッソ。まぁ後で治してもらえりゃいいや。
「なぁ、こっちに来て初めてだろ?一撃で人間を殺せなかったの。」
ビクッ。
「不思議な事もあるもんだなぁ……今俺はロズにもらった肉体の防御力も人並みに落としてんだぜ?じゃあ何で殺せ無いんだろうな?」
「「「………………。」」」
「あぁあぁ。まぁただんまりか。静かにしとけばやり過ごせるとでも思ってんのか?チゲぇダろ?良いか?お前らは今初めて人間の死に関わろうとしている。これがどういう意味を指すかわかるか?あ?」
「「「………………。」」」
「はぁ……まだ黙ってンのカ?詰まらねえ奴らだナ相変わらズ。」
これだから詰まらんのだ。人類は。
「愚カな主ラに説明してやるよ。良いか。お前らはこの世界の捉え方をミスったんだよ。なぜか?当たり前だ。人を殺した時、大抵は気を病む。そりゃそうさ。それが人間の本能ってやつだからな。非常に重い狂気を持っていなければ、の話だ。だが、お前らにそれはない。またまた何故か?お前らはこの世界を甘く見たんだ。あまりにも軽い。軽い。軽すぎる。ゲームで人を殺しても何も思わない人間は許される。だが、お前らのケースは許され無い。よって、俺はこうする事にした。
お前らに死の重みを教えてやる。さぁ早く儂を殺しテミセよ。」
*こいつ誰だろうね。儂って言う奴。
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