第31話 逸話(解)

なぜこの逸話が有名になったのか。側からはたから見ればただの狂気に満ちた殺人鬼の話でしかないだろう。ただ、この話の焦点の当てられ方も悪かったのだ。普通は、この男が死ぬ前にやった善行を見習え、と言うのだが、その死に様に焦点を当てたのだ。

『お前たちはこの姿を見習い、その罪の分だけ贖え。償え。そして詫びろ。更に死刑囚以外はこの先一生惨めに生きろ。死刑囚の者共はこの逸話のように、その身に罰をうけて死ね。それが被害者への唯一の償いだ。』

そんな事をただ延々と言い聞かせ続けた。結果、その刑務所に入れられた囚人の約80%が自殺。残りの20%の内、10%はストレスよって死ぬ。といった事が起きた。その監獄の名前はアハルベルグ監獄。この話はアハルベルグの死刑囚、という名前がついている。

この精神状況を作り出したのは、とある看守。その看守の名はベルグ・インターン。史上最も囚人に対し、冷酷で残虐な人物とされている。その男はかつて、家族を殺されていた。そのせいか囚人はどんな罪であろうと囚人はクズ、という意識が確立している。

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「というのを元にして、いろいろ派生させていくのはどうでしょうか?」

「なるほど……確かにそれなら面白そうですし何より楽しそうです。よし、それやってみましょうか。」


こんな事こっち異世界でしか出来ないしな。


________その頃斗真たちは。


「この爆弾を使えば、アイツらも助けられる…。だが、こっちにまで被害が出てしまう可能性もあるんだ…。どうにかして、爆風や破片とかを防げる物を用意していた方がいい。あと、才路のあの防御魔法。あれをどうにかして活用すれば…。俺たちに被害なくここら一体をぶっ壊せるかもしれねぇ…。」

「ふぅん…。つまり、それ程強い爆弾なんだ…。ねぇ、斗真。それって時間制に出来たりする?」

「それが出来ねえんだよなぁ…。」

「じゃあダメかぁ…。どうしよぉ…私達このままじゃ殺されちゃうよぉ……ヒグッ……ウッ……。」

「大丈夫だ…絶対に俺が何とかする。だから安心してくれ。」

「うぅっ…斗真ぁ……。」

こんな時に優彼氏面をするとんでもない奴である。


________その頃正義まさゆきたちは。


「ちっ、こんな時に…。」

「どうしたんだ正義?まさか…斗真達に何かあったのか?」

「いや、急にカップルし始めた。」

「「「……………⚪︎ね!」」」

「仕方ないでしょ。」

「あの二人だしねぇー。」


バカップルは本当のようです。


「だが……どうする…。こんな時に……レーラ・ジェイル………あいつは何故かは知らんが俺たちの邪魔を明らかにしてきている…。こんな時にだ…。あいつらに何か関係が……?いや、でも、霊心が来たのはこの前…。なら関係はないはずだ…。じゃあこれが起きる事を予想していた?どうやってそんな事を……?」

一人でブツブツ言い出す正義を、みんなが心配しだす。


「おい正義。少し休んだらどうだ?前回の使用からもう一時間は立ってるぞ?MPの消費も激しいんじゃ…。」

「俺は大丈夫だ。だから早くポーションを作ってくれ。」

「は、はい!今持ってきましたぁ‼︎」

一瞬、正義が周りに殺気を放った。


この場に置いて、一番強いのはこの正義だ。


魔力、筋力、体力、どこをとっても化け物級。それに加え、賢者、勇者、剣聖などのジョブ持ち。一番能力をつけられたのはやはり正義くらいだろう。

そんな正義が少しでも疲れているのだ。心配にもなる。

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