第29話 残酷

爆発の音、匂いにつられて森から魔物たちが出てきたのだ。

今村は謎の爆発によって壊滅状態になっている。さらに魔物の襲撃が来るのだ。

生き残っている村人たちは必死にその場から離れた。せめて、何人かは生き延びてやろうと。

だが、それすら許されなかった。


「へっ、馬鹿どもが。逃がすわけねえだろ。」


そこにいるのは斗真だった。

スナイパーライフルを使い、逃げようとする村人たちを着実に殺していく。

「ぐあっ!」

「うっ!」

「キャアアア!」

追い討ちをかける必要はそこにはない。ただの暇つぶし。神の気紛れのように。


だがその中に二人だけ、別の方向に逃げている村の生き残りがいた。そしてその生き残りが、今のシャーレイさんの兵士たちの副兵隊長……らしい。



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「以上、この二人の罪のうちの一つでしたー。さぁこれ。どう裁く?皆の意見を聞いてみよう……と言いたいとこだが、時間がかかるのでな。先にこれは決めていたよ。日本人にとってはかなりキツいかもしれんから、丁度いいと思うぜ?独房の中に一旦入れておこう。まずはそこから始めなきゃならんから。」


俺の中にあるシナリオは、実はまだ完成していない。だが、いくつかのパターンはできている。それをどうくっつけて、最悪の状況に持っていくかだ。


「ん〜。しっかし、どうしたもんかねぇ〜…。」

「お困りですか?」

「お、お嬢様。お疲れさんです……。いや、今ですね…シナリオをどうもっていくか考えているんですけど……。どうしようか悩んでいるんです。普通に拷問でもあの国で生きてきたぬるい奴らにはかなり効き目がありますからね……。」

う〜む…悩みますなぁ……。


「案は考えついているのですか?」

「ベースの方は…。まぁできてるんですけど……。これがまぁ〜組み立てにくい組み合わせなので……。」

「どんな物か聞かせてもらえますか?」

「えぇ。まずは……」

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「いつ動くんだ?そろそろヤバくないか?しかもこれ以上の応援は期待できないぞ…?」

「え?何で?」

「謎の結界が働いているのさ。そのせいでなんでか俺以外こっちに来れなかった。なんでかは分からんけど…。」

「結界…?何でだろう……。もしかして、あの女の人の…あの杖の所為かもしれない。」

「何?もしかして…クリアされちまったのか…?あの…ダンジョンを……。」

「うん…。ごめん…。」

「いや、別に怒ってねえよ。気にすんな。ただ……少し厄介だな……。ここら一帯を消し飛ばす勢いじゃなきゃ勝てねえかもしれねえ…。」

「え…?それってもしかして……。」

「あぁ、あの爆弾。また使う事になるかもな…。」

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