第26話 バカ三人組、最後の一人

「さぁそろそろ!前菜の三人組の男子が終わります!烏頭後太うがしらこうたくんです!みなさん!盛大な拍手を!」

パチパチパチパチ!

「では、一体この男はどんな罪を犯したのでしょうか?またまたタレコミを聞いていきましょう!

『私はその男を絶対に許しません。何があっても。一体何があったのかというと、私の幼馴染の騎士を殺したことです。別に彼が戦争などで死んだというのなら、まだ理解できました。けれど、死因は他殺でした。そして、その犯人はわかっていない。私はそれが悔しかったんです。あの人はずっと騎士になる為に頑張っていました。毎日体力作りに励み、木剣を毎日振って、努力に努力を重ねたあの人の死因が、私はどうしても気になっていました。だから私は、色々な所から情報を引っ張り出し、探して探して辿りついた結果は。

あの救世主とやらに殺された。

というものでした。デマかもしれない。異世界から来て、こちらの世界に高度な技術を持ち込み、国を発展させた人たちです。そんな情報、安易に信じることなんて出来ませんでした。けれど、私はそのことを証明するある結果にたどり着いてしまいました。

「あの騎士、本当にうざかったな。殺して正解だった…。」

私はその時、メイドに扮して潜入作業をしていました。そうしたら偶然、開けられたドアからそんなことが聞こえたのです。ここ最近で他に死んだ騎士は二人。しかし、その二人は死因が魔物との戦闘による事故。じゃあ、こいつが言っていた騎士とは…?

私は、この人たちのことを人として見ることができませんでした。こいつらはきっと人の皮を被った化け物だと。こいつらだけは許してはならないと。けれど、強力な力を持った者と、普通の人間では勝負にならない。私が一方的にやられてしまう。

他人にまかせるようであまりいい気はしませんが、殺した理由を聞き出し、その上で断罪してくれるとありがたいです。』。

だって。一体何で殺したんだろうかねぇ?この話を見るに動機が分からんのだが。教えろよ。」

「……うぜえと思ったからだ。悪いか…。」

「それだけで殺すわけないじゃん元日本人の君らが。なんでやった?言えよ。ほら。」

俺は後ろから凶器を背中にあてる。


「ほら、言わねえとお前も理不尽に殺されるかもしれないぜ?」

「……言えねぇ…。俺一人が犠牲になれば、この情報は流出しねえ。じゃあ俺はここで一人で死ぬね。」

「………。『尋問コース』。行ってら。」


これで少し奴らのことを聞き出せるかもな。さて、後二人。

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