第12話 突入。『インヴァイダー』
「本当に二人だけで良かったんですか?」
俺は少し気になって質問してみる事にした。なんとこの作戦、俺とお嬢様だけ…。嘘ぉ…。何故…?
「あぁ、申し訳ありません。言っていませんでしたね。このダンジョンには特殊な仕掛けが施されていまして…。」
曰く、大人数で行くと床などのトラップが作動するため荷物も十分に持っていく事が出来無い。水は一応ダンジョンの中にあるので水筒などの心配はないが、食料は最悪魔物の肉を食べなければならないらしい。しかも、魔物の肉は超が吐くほどに不味いらしい。なんと恐ろしい…。
「なかなかハードですね…。まぁ水があるだけマシでしょうが……。」
「はい。どこか別の場所から荷物を取り出せる方法があれば良いんですが…。こういう時に奴らの能力が重宝される気持ちがわかります。」
「はぁ、アイテムボックスみたいな物を持ってる奴もいるのかぁ…。ん?あれ、そういえば…。」
*霊心の脳内
ステップ.1
家に帰ると意識する
ステップ.2
家に戻る
ステップ.3
食料を持つ
ステップ.4
戻ってくる
「……………。」
「どうしたんですか?」
「もしかしたら俺、いや、ほぼ確定で抜け道見つけたかもしれません。」
「え?なんでそんな事を急に…?」
「ちょっと入り口前付近で待っておいてくれませんか?」
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あ、これはもう確定でヌルゲーだわ…。家にいつでも戻れる。それが確認出来た。
「シャーレイさん。これ、あなたが無理する必要はなさそうです。」
「……いえ、まさか家を介してテレポートなんてかなり強い能力ですね。」
「あ、やっぱりそうですよね…。なんか俺も段々他の現地の人達に申し訳なくなってきました…。」
「なんでですか?」
「いくら復讐のためと言えど、ポッと出の能力で自分の努力を無駄にされた人も居ますよね?だからそういう人たちにとって、俺はすごく申し訳ないなぁ、と。まぁなるべくそういう人達の仕事を取らないように意識はしています。」
「やっぱり、奴らとは違うのですね。あなたは。普通その力に溺れて傲慢になる人が多いと思います。私たちだってそうなるかもしれないと思っています。けれど、その気配りが出来ていれば暗殺などはされる心配はないでしょう。」
「ははは、大袈裟ですね。買い被りすぎですよ。俺はただ…。」
「BOAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うるさっ。人が平穏に話してるところを邪魔してきやがって……。」
「私がやります。この辺りなら私でも対処はできます。任せてください!」
あ、やる気を出してる!珍しい……。あんまりお嬢様は後方での指揮が多かったからか、一人で張り切っているところをあんまり見た事がない。
「頑張ってくださーい。あ、無理はしないようにしてくださいよー。」
「はい!大丈夫です!」
この前見させてもらったのは確かメチャクチャ強そうな炎だった。今回はどんなのだろう。ちょっと楽しみだな…。
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