第11話 ダンジョンへの道のりは……案外短かった。

「さぁ皆さん!移動しますよ!目的地は最初の予定通りダンジョンの『インヴァイター』です!用意は良いですか!」


「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」」」


あれ、ダンジョンに行くまでどれだけの時間がいるんだろう…。


「幸いここから目的地までは三日ほどしかありません。それまでどれだけ被害を少なく出来るか……。その被害をどれだけ減らせるかが私達の課題です!」


え、もっと一週間くらい時間がかかると思ってたけど案外短いんだな…。


そうして演説?が終わったあと、出発することになった。一応、移動手段は馬車らしい。この世界の馬車は風魔法?が刻まれてるようで少し浮いているらしい。だから馬への負担も軽くなっているという。ドラ⚪︎もんやんか⁉︎


すいません。


「でもちょっと浮いてるだけでこんな楽になるんだなぁ…。へぇ〜。やっぱ摩擦力ってのは相当力が入ってたんだろうなぁ…。」


「はい、これはある協力者が作ってくれた物です。」


「協力者…ですか?」


「はい、貴方と同じく異世界から来た人で、名前は…」


ゴン!


「モンスターです!総勢五体!個体名はブラックベアー!迎え撃てます!」


「チッ。タイミングがもう狙ったとしか思えねぇなぁコンチキショウ!」


「この話は後ほど。死傷者を出さないように!いいですね!」


「「「「「はい!」」」」」「「「「「おう!」」」」」


「レイシンさんは今回は動かなくても大丈夫です。」


「あ、そうですか…。じゃあ体力を温存しておきますね。一応…。」


「はい、そうしておいてください。」




それから程なくしてモンスターは討伐された。


「死体はどうするんですか?」


「放っておきます。」


「………アンデットとかっているんですか?」


「はい、一応存在はしていますが特定の場所でしか発生できないのでいいんです。それに置いていけばここに引き寄せられてエンカウントする可能性が低くなります。私達はそれを狙っているのです。」


「あ、そうなんですか。」


へぇ。てっきり持って行く事かと思った…。


「さぁお嬢様!準備が出来ました!出発しましょう!」


「分かりました。ありがとうございます。皆さん!出発しますよ!」


そしてまた目的地に向かい進み始めた。



______________________________________


そのあと、何度かアクシデントが起こったりしたが。


「ついに……ついにつきましたね…。」


「『インヴァイター』……。じゃあ、ここを踏破するって事ですね…。少し楽しみになってきました…。」


「え…?いや、楽しみ…なのはいいんですけど…危険なところですよ?もしかしたら死ぬ可能性もあるんですよ?」


「いえいえ、死にはしませんよ。俺が守れる事もあるし、それにお嬢様なら余裕で庇えるくらいには汎用性があるんですよ?俺。まぁ、その…有効活用してくださいな。俺の事を。」


そういうと彼女はクスッ、っと笑って(わぁ、すっごい画になる。かわいい。)、


「いいえ、私の事を有効活用してくださいませ。結果的に復讐ができれば私たちはそれでいいのです。まぁ……拷問にかけて殺したい相手もいますが……。」


「半分こならいいですよ。」


「‼︎ありがとうございます!じゃあそのためにも、ここを絶対にクリアしましょうね!」


「はい!頑張りましょう!」


そうして、俺たちは、神殿のような見た目をした『インヴァイター最悪のダンジョン』の、巨大な扉を開けた。

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