第4話:Battleship Gambit
Battleship Gambit、通称BGとはRTSと呼ばれるジャンルのゲームである。『アガルタ』がリリースされる前からゲーマーの間ではよく遊ばれていたジャンルであるし、似たゲームは多々あるが『アガルタ』では本ゲームが覇権を握っている。
そして『アガルタ』が覇権を握っているため、必然的に現在RTSと言うジャンルでは最も遊ばれているゲーム、と言うことになる。
ゲーム内容はシーズンごとにアップデートされていくものの、基本的には艦隊を率いて対戦するのがメインである。一対一から五対五、拠点制圧から殲滅戦までルールは多岐に渡るが、自身が多数の艦を率いて戦う、この構図は変わらない。
今回、シュートとイシュヴァラの戦いはBGにおける最も原始的なルール、プレイヤーが一対一、艦が五隻ずつ、勝敗は一方の艦隊が全滅した時点でつく、と言ったもの。プレイヤーはリアルタイムに指示を飛ばし、自軍を勝利に導く。
フィールドは丸い球体、星々の煌めきはあるが漆黒の世界である。双方の視界は自軍の艦隊が確保している分しかないため、相手の配置も、構成も、進軍ルートも、上手く視界を確保しつつ、読み合っていくゲームである。
「あれって、周防君じゃない?」
「本当だ。対戦相手、誰だろ?」
神山学院においてSクラスとは特別な存在である。私立の中でも学費が高めの本学は制度を用いてもかなりの差額を各家庭が負担せねばならない。その授業料が完全免除、教材費も学校負担、遠方の生徒は寮費もかからず、寮の食事もそこに含まれる。加えて留学の費用まで面倒を見てくれたりもする。
その他諸々の特典があり、その上で授業への参加すら自由意思に任される。
まさに至れり尽くせりの特進クラスなのだが、そこに入るには凄まじく高いハードルがある。学業成績だけがどれだけ優秀でも入ることは許されないのだ。大事なのはプラスアルファ、どのような得能を持つか、である。
ゆえに生徒は突き抜けた者が多い。資産家、政治家の子など生まれながらにして太いコネクションを持つ者、文武問わず世界的な大会で確固たる成績を残した者、社会への影響力を持つ者、アイドル、女優、歌手などもそう。
彼らの多くは諸々の特典、これらを欲してSクラスの門を叩く。すでに高校過程を必要としない者でさえ、諸々のためにわざわざ高校生をしている者もいるほど、そこには大きな魅力があるのだ。
イシュヴァラ、周防宗純はその中の一人。何か突き抜けたモノを持つ男。他クラスにとっては雲の上の存在で、ほとんど絡みは無い。
そんな相手と他クラスの者に接点がある時点で注目が集まる。
「あのイシュヴァラってSクラスなの?」
「シュートって、日野だよな?」
二つのクラスから視線がじわじわと集まる中、
「…………」
シュートはすでに売られた喧嘩のことしか頭になかった。学校自体に興味がない彼はSクラスのことなど知らないし、興味もない。そもそも知っていたとしても、あの男の関係者と言う一点より重く見ることはなかっただろう。
(カヴォード、か)
BGはシュートたちも良くやった。一番下手くそだったキャプテンがやりたがって付き合う形であったが、ロディニオンの皆でやり合ったものである。
その中で一番強かったのが、カヴォードであった。能力も強ければ頭も切れる。性格以外非の打ちどころがない男。その分性格が最悪極まるのだが。
ただ――
(ま、お手並み拝見だ)
シュートも決して凡俗では、無い。
戦艦などの選択は任意であり、正面火力に優れた艦から装甲を厚くしたものやバリアが張れる、対空が、側面が強い、索敵範囲が広い、など艦種によって様々である。大体の構成としては重装甲一枚、索敵一枚、あとの三枚はお好みとなる。
そこでプレイヤーの、艦隊の個性が生まれる仕様。
シュートは重装甲一枚、索敵一枚、残りアタッカーかつ機動力に富んだ艦を選択、イシュヴァラは重装甲二枚、索敵一枚、二枚をアタッカーとしている。速さを重視した構成とバランスを求めた構成となる。
「日野氏、これはかなり攻撃に厚く振っておりますな」
「しかり。対する周防氏は攻防バランスの取れた、守り勝つことも出来る編成でござる。この勝負の綾は、日野氏が攻め勝つか、周防氏が守り切るか、でござるな」
黒いローブをまとった賢者っぽい見た目の男二人が、開戦前の状況に対し誰も聞いていないのに話していた。ついでに二人共腕組みしている。
他の生徒はSクラスの人間と他クラスの人間が勝負している状況には興味を抱いても、BG自体にはさほど興味が向いていない。プレイしたことのある者が少し興味を向けている程度のもの。あくまでこの手のゲームはゲーマー以外に伝わり辛く、どうにも世間受けが悪かったりするものなのだ。しかも今回のは雛型であり、強みの一つである美麗なグラフィックは無い。尚更興味を引くことが出来ないだろう。
まあそんなこと、やり合っている二人には関係ないが。
「このゲームの肝は視界取りにありますな」
「序盤は互いに丁寧な視界取りでござるな」
どちらもセオリー通りの動き。互いに広く展開しつつ、相手の動きを掴まんとする。とにかくこの手のゲームは情報が命。相手の艦種がわかっただけでも効果的な攻め方をすることが出来るし、アタッカーなどの主力の位置を掴むことが出来れば、そこに手数を割いて各個撃破することも可能。
ゆえに互いの索敵に特化した艦はぐんぐん進んでいく。基本的に索敵型は火力が低い代わりに機動力に富んでいる。重装甲相手はもちろん、機動力重視のアタッカーでさえ捕まえるのは至難の業となる。
「互いにゲームをわかりて配置ですぞ」
「しかり。どちらも下を意識した立ち回りでござる」
「アプローチは違うが……」
このゲーム、基本的には艦の正面が最も強く、次は側面、上、背後、そして底、と言った順番になる。艦によって例外はあるが、基本的にこの構図は揺らがない。ならば下へ潜り込んだ方が有利、と考える者もいるだろうが、それは浅はかな戦術となる。絶対に底を取らせぬ動きをするならば球体のフィールド、その下部に張り付くしかない。すると、三番目に弱い上をさらけ出し、相手が与えられた広大なスペースを用いて回り込んだり、シンプルに舳先を正面に向けて突貫するだけで勝ててしまうのだ。初心者が良くやり、蹂躙されるパターンである。
二次元ではなく三次元、上下も加えたボードゲーム。一対一での艦隊戦でさえ相当奥深いのだが、このゲームのメインストリームは五対五のチーム戦、二十五ずつの艦で戦う。フィールドも何もない宇宙空間ばかりではない。
これぞBGの、プロが存在するゲームの奥深さ。
全て見えている観客側からすると地味なやり取りであるが、プレイヤーにとってはここが最も緊張する局面でもある。
少しでも有利な状況で、編成で対峙したい。
双方の思考が、鍔迫り合いのように球体の中でせめぎ合う。
○
先んじて相手を捕捉したのはイシュヴァラ側、これはもう運としか言いようがない。策敵艦が敵影を捉えた。その瞬間、彼の思考はフル回転する。位置、艦種、そこから逆算してどういう配置で臨んでいるか。
ゼロでは想像もつかぬことも、一あれば推測することが出来る。
捕捉したのはアタッカー、かなり相手側に食い込んだところでの発見ゆえに、これを陣形の先頭ではないと推測する。かなり上側での発見、機動力重視の艦ゆえに主力かどうかは決めつけられないが、それでも上に寄った配置なのは見て取れる。
イシュヴァラはオーソドックスに下寄りのところ、彼はスペースを得て回り込むなどかき回すために上寄りのルートを取った、とも考えられる。
当然、イシュヴァラは策敵艦をアタッカーと同じ速度で間合いを保つ。索敵範囲の関係であちらはまだ気づけない。一方的に情報を取得できる構図。
このまま増援を上手く当て、数の有利を得れば――
そうイシュヴァラが思っていた頃、周りは驚愕していた。相手の居場所を読み切ったかのような直滑降、突出させてあった両翼のアタッカーが一気に互いの索敵範囲に飛び込んでくる。何故、誰もが思う魔法のような突撃。
「なっ⁉」
まだ敵艦を捕捉し、そちらに寄せようと舳先を上向きにしていたから最悪の邂逅にはなっていないが、それでも当たり方としては最悪の部類。
(何故⁉ 彼がこちらの配置を読む手段なんてなかったはず)
情報は与えていない、と彼は思っていた。だが、観客は情報がゼロではないことは知っていた。イシュヴァラが捕捉してすぐ、シュートの策敵艦も相手を捕捉していたのだ。シュートが策敵艦を送り込んだのは球体底面、敵が下寄りで来るのではないかと予想し、目を仕込んでいた。そして捉えたのが重装甲艦、タンク二枚。
シュートはそれらを陣形の要、つまり主力と判断した。そもそもタンク役を二枚用意している時点でバランス型でも守備寄りである。
ゆえにシュートは其処から配置を、進行ルートを予測し、敵のアタッカー目がけて自身のアタッカーをぶつけようと考えたのだ。
居場所を見出しているタンク二枚ではなく、あえて見えていないアタッカー二枚を落とそうと考えた。見えていなくとも、敵の主力の位置、構成、その辺りの情報さえあれば配置の予想は出来る。
そしてあたかもその予想に対し、思いっ切りの好い攻めで相手を襲う。当然相手は自身のアタッカーが策敵艦に捕捉されたのでは、と疑うも両翼が急襲されたためその考えを即座に捨てる。この流れはシュートにとって予想外であった。
この突撃は策敵艦の場所及び数を誤認させるためのものであったのだが、すでにアタッカーを一枚捕捉されているために、そこは騙されてくれない。
(底、かァ!)
イシュヴァラの状況判断も素早かった。即座に何故自分の配置が読まれたのか、可能性が最も高い解答を弾き出し、タンク二枚を急上昇し対応する。
(判断が早い。さすがに半端じゃねえな)
策敵艦はこのゲームにおいて重要な役割を持つが、それはあくまで情報取得のためである。素早い代わりに火力も低く、装甲も薄い艦は開戦した瞬間、価値が暴落する。使えないわけではないが、駒には優先度があるのだ。
シュートも、イシュヴァラも、敵が姿を現した瞬間、策敵艦を動かし目の位置を変える。判断の早さで互いに目の位置がバレたと思ったのだ。
実際に、
(こっちのアタッカーにつけてやがったな)
(タンクを追ってきますか?)
読んでいたし、読まれた場所に置き続ける馬鹿はいない。
情報が錯綜する。その度に手数が、思考が倍々に増えていく。シュートも、イシュヴァラも、各艦に指示を出すコンソールの操作を凄まじい勢いで行っていく。それはどこか魔法でも使っているかのように、艦隊を生き物のように動かすのだ。
「……す、すごい」
「ござ、るゥ」
黒衣腕組み二人組は、気づけば言葉を失っていた。自分たちもそれなりにこのBGをやり込んでいた自負はあった。高校生レベルならまあ、地区大会ベスト十六ぐらいの成績は出せるでござる、という微妙な自負が。
しかし、この二人はもう完全に別格なのだ。
「なんかすごくね?」
「いや、手つき速過ぎてきもいんだけど」
「あのシュートっての首振り過ぎでしょ。頭もげるんじゃない?」
普通の人が見ても、何か凄いのではないか、と思うほどに。気持ち悪いと思う者もいるが、まあそれだけ人間離れしているとも取れる。
「……どうなってんだ、あいつの先読みは」
シュートらと同じく初期の格好をした長身の女性がつぶやく。首振りしながら情報をくまなく取得する。ここまでは理解できなくはない。ただ、そこからの行動予測がずば抜けている。まるで未来視かと思うほどに。
情報処理能力、空間把握能力、このゲームに求められる力が、いや、文武問わずスポーツに求められる基礎の力が、図抜けている。
その重要性を知る者たちは、
「あれ、Sクラスだろ? 不登校とか?」
「いるけど、確か女子だったろ。初期の服で性転換は無いだろ」
「じゃあ、あれで普通のクラスなの?」
「……知らないよ」
自然と、突き抜けた者たちの視線が彼らに集う。奇異の眼から、興味へ、気づけば畏怖に近い感情が芽生えてくる。周防宗純はわかる。彼の得能は大寺院の跡取り息子、つまりコネクションだが、他のスペックも軒並み高い。
文武両道、才気に溢れた少年である。
「へえ、ゲーム興味ないけど、なんかすごそう」
「…………」
畑違いの者も、スペシャルな片鱗は、感じ取る。
「日野っちなんか凄い! 偉い!」
わかっているのかいないのか、何故か応援を始める者もいた。急にクラスのはみ出し者が注目され、気分を害す者も生まれ出て来る。
それだけ、たかがゲームをしているだけの少年が――
(カヴォードの野郎についてくだけはあるぜ。でも、まだまだだ!)
輝いて見えたから。太陽の残滓が、零れる。
「……日野君」
その中でただ一人、誰とも重ならぬ想いを抱く少女がいた。彼女は知っている。本当の日野秀斗を。誰よりも青い芝生の上で輝き、頂点であることなど疑う気にもなれないほど、まさに太陽のような存在であった彼を。
知っているからこそ、思う。
(……ごめんなさい)
彼にとってはこんなもの遊びでしかなく、本当の灼熱、彼が本来いるべき戦いの場所ではないのだと。嫌でも、思い知らされてしまう。
それは――彼女だけが知る。
○
『日本の高校生で、カヴォードさんと並ぶ、ですか』
周防宗純はありえないと思っていた。
『俺も、他の連中も、それを知った時に愕然としたものだ。ロディニオンに集った連中は、まあお前たち風に言えば類は友を呼ぶ、と言うやつだった。キャプテンが世界一の音楽家、他もまあ似たようなもの。学生の歳はいても、暢気に学生をやっている者などいなかった。力を持つ者は、善悪問わず何かをやっているものだ』
『責務もありますよ』
『くだらんがなァ。だが、あの男は違った。何もやっていない。いや、何も出来なくなっていた。事故であの男は翼を失っていたのだ』
『事故が無ければ、どうなっていたでしょうね?』
『愚問だな。BG、遊興とはいえ俺やユオ以外では相手にもならなかった男だぞ。問題なく頂点を取る。戦ってみれば、わかる』
『万が一、僕が勝ったら?』
『その可能性は、無い』
自分はかなりBGをやり込んでいる。高校生で時間の制約がある彼が、ほぼずっと『裏世界』に入り浸り、時間を浪費し続ける彼が、カヴォードに並ぶわけがない、と。優秀で研鑽を積んだ自分なら、同じ高校生なら、勝てる、と。
そう思っていた。
だが、今この時、戦ってみて理解する。
(……はは、ものが違う)
『裏世界』を震撼させた怪物集団『ロディニオン』、その一翼を担うただの高校生日野秀斗。ありえない話である。こんな彼がSクラスでもないなどと。
馬鹿げている、と思う。
カヴォードは言った。このBG、RTSという類のゲームは瞬時の戦況判断が勝敗を分ける。つまり、かなりの部分が日野秀斗の得能に重なるのだ、と。
だから勝てない。たかが優秀程度では。
「なるほど。これは、きついなぁ」
BGと言うゲームのやり込み自体はおそらく自分の方が上だった。だが、戦局が複雑になればなるほど、混沌が深まれば深まるほどに、思考力の差が如実に表れてしまう。食い下がってもじわじわと詰められていく感覚。
カヴォードに打ちのめされて以来の、敗北感。
「間違いなく、あの人と同類だ」
わからされた。イシュヴァラは、周防宗純は、もう覆せないと白旗を掲げた。力の差があった。生半可な努力では覆せぬほどの。
「参りました」
「いやぁ、強いな。名前何だっけ?」
「……あ、あはは」
「え、なんか俺、変なこと言った?」
「いえ、その、あまりにも、被ったので」
「?」
力の差を見せつけられたあの日、カヴォードは嬉しそうに近寄ってきたのだ。楽しい勝負だった、と。こちらの気も知らないで。
間違いなく同種であろう。
「う、ウォォォオオオオ!」
「か、感動した、感動したでござる!」
「是非、我らがEスポーツ研究会に!」
「今ならばジェネラルの称号を差し上げますぞ!」
「……は?」
「「ジェネラル、ジェネラル!」」
あまりの名勝負に咽び泣く黒衣の二人組。それに絡まれて目を白黒するシュート。戦いに集中し過ぎて周りが見えておらず、注目されていたなどと考えてもいなかった彼は愕然と、彼らの勧誘に圧倒されていた。
この日、日野秀斗に一つのあだ名がついた。
ジェネラル、と。
まあ、そう呼ぶのは彼らだけ、なのだが。
○
その様子を眺めていたルーシーは驚きの表情で『数値』を眺めていた。彼女も立場上、『ロディニオン』のリアルでの立場を知っていた。巨大グループの若き会長、華僑の王を継ぐ娘、若き天才化学者、複数タイトルで世界一を取った天才ゲーマー、新人類の初期ロット(欠番)、追跡不能の男、そして日本の高校生。
船長からして世界一の音楽家、名誉顧問を自称する男は世界一のストライカー、そんな怪物どもに囲まれた日本の高校生。
逆に浮くだろう。
しかし、天才は天才を知る。彼らは日野秀斗を自らの同類だと認めていた。何か『数値』などを推し量らずとも、わかっていたのだ。
「……グルヌイユの貴人以来ね、この『数値』は。空間把握能力、情報処理能力、いずれの項目も、シックスセンスを抜きにした場合、人類最高値に近いわ。あのばあさんが囲うだけあるわね。実に興味深い素体だこと」
専門外だが弄り倒したい素体であり、素材でもある。もし、これが専門であればルーシーは自分が抑えられる自信がなかった。
如何なる手段を用いても奪取し、髄液の一滴まで研究する。
だが、あれは彼女の、『理事長』の箱庭にいる。
今は手が出せない。せめて卒業し、建前でも自由になってくれねば。
「とにかく、ほんと、ロディニオンは最高のモルモットたちね」
禁忌を超越した研究者の笑み。
それはかくも醜悪で、最高に『人間』であった。
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