第4話
手慣れた手つきで屋上の鍵をピッキング。
誰もいないことを確認しながら扉を開ける。
屋上の何気ない時間に楽しみを隠さずに屋上に飛び出した。
そこにいたのはツインテールに結んであるカーマの姿があった。
「あ、こんにちは」
「えっと……こんにちは」
「姉がお世話になっております」
「あっ、はい。 ご丁寧にどうも……えっ姉!?」
「はい」
「妹さんいたんだ」
「カーマ姉さんの妹カーミアです」
「ところでカーマは」
「姉さんはまだ仕事中でして、お待たせするのも何なのでわたしが対応させていただきました]
「そうなんですか」
「では、少しお話いたしませんか」
「……いいですけど」
いつもカーマと一緒に座っていた場所に腰を下ろした。
「それで、え~と」
「ありがとうございます」
「えっ?」
「姉は仕事熱心でぐーたらで他人とのかかわりをメンド臭がる人で笑顔の少ない人です。 けれど、明日華さんと会ってからずいぶん笑顔でいることが多くなったんです。 あんなにうれしそうな姉は久しぶりでした」
下を向きながら、言葉を並べるカーミアの言葉を明日華は聞き入る。
「それにあなたは姉の力を見ても関わってくれています」
「えっ!? あれ見てたの」
「おかげで姉を見つけられました」
カーミアは顔を上げ明日華と目を合わせる。
「どうかできるだけ、姉と友達でいてください。 お願いします」
切実に頭を下げるカーミア。
明日華は一瞬戸惑ったが笑顔を作り、
「こちらこそお姉さんとよろしくお願いします」
頭を上げたカーミアが明日華の笑顔を見て、頬を綻ばせる。
「お・ま・た・せえええ!」
上空で大声が聞こえる。
視線を上に向けた明日華とカーミア。
空に浮かぶ光の巨人は縮小していくとカーマの姿になり屋上に着地した。
「あっすかあああ!」
着地した瞬間地面をけり、明日華へ抱き着いたカーマ。
「カーマ!?」
「いや、遅れると思ったから結構飛ばして帰ってきたんだ」
「お姉ちゃん!?」
「あれ、カーミア来てたの? 昨日ぶり」
「いきなりそんな抱き着くなんて! 明日華さん困惑してますよ!」
「えー。 もう手も握った中なんだしいいじゃん。 ねー、今日はなんの弁当」
「嫌くっつきすぎだから! こらっ! どさくさに紛れてにおいを嗅ぐな!」
「明日華は平和ってにおいがするんだもん。 と言うより唐揚げのにおい」
「今日の弁当を当ててきた!」
「お姉ちゃん! いい加減に離れなさい!」
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