第9話 ゆっちゃんと質疑応答

なんかもっと軽い悩みかと思ったら、全然深刻だった。

俺の最近の悩み、洗っても洗っても右手が痒いよりも断然に悩んでそうだわ。


「分かったよ、ごめんってゆっちゃん。で、俺と話すときはどっちで行くの?やっぱお嬢様しちゃう?かしらかしらしちゃう?」


どれだけ相手が悩んでいても、苦しんでいたって俺の基本スタンスは変わらない!


軽口を叩きつつ、いい感じに相手を煽っていく。

これがじん流のコミュニケーション術。


…………だから、友達はいないし彼女はできねぇのか。


「…………良いですよ、バレちゃいましたし、じんくんのことは信用してるんで、素でいかせてもらいます。」


なんか初対面のはずなのにめっちゃ信頼されたんだが。


やっやめろや、そんな無条件に信頼されるとか、なんか恥ずいじゃねぇかよ…。


「そっすか。てか、さっきから思ってるんやけど普通に俺の名前知ってんの?」


頬をポッと赤く染めて言った。


うん、わかってる男の頬染めなんて誰得だってな。

わかってるさ。だって俺自身が気持ち悪いもの。


「なんででしょうねぇ?」


目を泳がせたゆっちゃんが無駄にうまい口笛を披露しながら言う。


うわぁめっちゃ泳いでるう。

もうすんごいよ、パン・パシフィックしてるよ?自由形でターンとかしちゃってるよ?


「まぁ、いいか。じゃあ、何で俺は膝枕されてたん?」


俺はロリっ娘の膝からアスファルトへとランクダウンしたけれど、立ってるのも辛いのでしかたなく地面に腰を下ろして聞く。


「それは、じんくんがアスファルトに寝てて痛そうだったし、寝る前に…………ひっ膝枕してほしいって言ってたからですっ!!!」


恥ずかしそうにしつつも褒めてほしいと言わんばかりに俺を見つめて叫ぶゆっちゃん。


は?何それ?

可愛すぎじゃね?反則なんだが。


マジ、俺だから許すけどこれが世の一般ロリコンだったら即連れてかれて、即同人誌行きよ?


ほんと、俺の寛大さに感謝してほしいところだね。


「なるほ。つまりゆっちゃんは俺の願いを叶えてくれた上に俺の心配までして、その麗しのお膝で俺の汚物ヘッドを守ってくれていたと?」


ゴツゴツアスファルトにやられ気味のケツを掻きながら俺は彼女の話を要約した。


俺国語はできないけどこういうのは得意やねん。

まぁ国語は30点やけどさ。


…………E判定……だから…。


「は、はい…。なんか色々表現に引っかかりはありますけど、趣旨はそんな感じです。」


そう言ったゆっちゃんは、わざわざ俺の座ってるところの隣に座り直した。


何これ?何この急なラブコメ展開?

俺にも春が来たってか!!?


「相わかった。とりま、ありがとうとだけ伝えておこう。」


俺は馬鹿なことを考えるのをやめて、ゆっちゃんに頭を下げた。


あなたに膝枕してもらった頭です。恩返しに来ました、的な展開だな。


ほんと感動だわ。


……多分これをお読みの皆さんは俺のモノローグの五割の意味が分かっていないと思います。


大丈夫です。あなたが一般です。


生まれてこの方俺と一緒にいる俺でも、まだ全然俺の言いたいことがわからないですから。


ほんとこの俺ってやつは不思議なやつなんですよ。


「あっはい。こちらこそ。」


俺に向けて頭を下げるゆっちゃん。

別にそっちが下げる必要もないのに、なんて健気な子っ!


もつおじさん泣いちゃうわっ!!!!


…………ちな、俺とゆっちゃんは同級生だ。


見えねーーー。

これで高校生とかあら手の詐欺だよね。


「あのさ、もう一個質問なんだけど…。」


頭を上げ俺を見つめるゆっちゃんを見つめて、俺は言う。


「はい…?」


不思議そうな顔をしたゆっちゃんが首を傾げた。


なにそれかわいい。

首コテンってリアルでやって、ちゃんとリアルに可愛い子いたんだね。


俺また一つ賢くなったよ。

今なら国立大D判定も夢じゃないかも!!!!


「なんで俺の事知ってんの?前会ったことあるっけ?」


俺は一つ上がっても受からない自分と大学との溝に涙をこぼしつつ、そんな質問を投げた。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 


まじでお久しぶりです。作者です。


なんと一ヶ月弱更新してませんでした。

ありがとうございます()


必ず完結まで書くつもりですが、投稿頻度はそこまで高くないと思います。


月一回は絶対更新して、週一投稿できるよう頑張っていく所存であります。


ちなみに私ラブコメの新作をなんと6作も9月に上げるので、よろしければそちらも読んでみてください!


(新作書く前にこれ書けって話ですよね分かりますすみません。


では今後ともどうぞご贔屓に。

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