第7話 心は尋問官
「ゆっちゃん、その変なロリ系お嬢様口調って素なの?」
人は自分が悲しくなった時、人の弱みを探りたくなるのだ。BY じんを。
「……………………………素よ。てか、ロリ系お嬢様口調じゃないで……じゃないわよ!!!」
おっっっっっっっっと、ゆっちゃん選手、これはミスを連発だぁ!!
無駄に長い間と、出かけた丁寧語がすべてを物語っているぅ!!
解説の田山さん、これは痛いんじゃないですか?
そうですねぇ、この『第22回弱みゴマーカシ杯』。一位の選手はノーミスで加点ありですから、ここでこの大ミスはなかなかに痛いですねぇ。
なるほどぉ、では、このまま予選敗退もあり得るってことですか?
はい。ですが、完全に道が途切れたわけでは有りませんので、ゆっちゃん選手には諦めずに頑張って欲しいですね。
「…………えいっ。」
俺は解説の田山さんの巧みな話術に翻弄されつつも、しっかりゆっちゃん選手の弱みをGETしに行く。
何も言わず息を殺して、人類の持つ唯一といっていいほどの弱点『ワキー』へと、俺の不格好な人差し指をつっこむぜ!!!
気分は爽快、するのは後悔、掛ける言葉はやりますねぇ!!!!
「ひゃっ!!ちょっと何するんですか!!……あっ…。」
意味のわからない掛け声とともにロリっ娘の甘美なワキーへと挿入された指が、その温かさを捉えたと同時に、まな板ロリっ娘ゆっちゃん(♡)(笑)が本性を表した。
彼女は完全に丁寧語を使用していた。もう中国の卓球選手かってくらいにバリバリに使っていた。
「なるほどゆっちゃん。で、その口調って素なのかなぁ?」
『世界ニヤケ顔キモさグランプリ』元世界王者の実力を余すことなく発揮しながら、ゆっちゃんを問い詰める。
気分はさながら尋問官、見た目はまるでジャンボタニ……じゃなくてジャングルキャット!!
ジリジリと顔をゆっちゃんに近づけていく。
この、どうしよっかと悩む顔が堪んないぜ☆
「…………素よ。」
ゆっちゃんは、くっ殺女騎士のような顔をしながら呟く。
コレはかなりキテるんじゃなぁい?
もうひと押しでいけちゃぁうんじゃなぁい?
「………………………。」
俺はダメ押しに、隣の奥様固有スキル『じっとりとした目線』を発動。
ここに『あらあらまぁまぁ』を付け足せば効果は三十倍だ!
「嘘よ!!嘘です、ごめんなさい!!!」
メスガキも、『じとじととした目線』には勝てなかったようで、潔く罪を認め頭を下げ始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます