番外編 固定電話から聞こえるヒトの声
※心霊現象等ではありません※
実際にあった固定電話での恐怖体験です。
①小学生時代
昔、こんなに携帯電話が普及する前の時代には一家に一台、固定電話がありました。
我が家にもあったんです。黒電話。
指でクルクルっと回してダイヤルするやつ。
何年か後にはFAX付の番号表示機能付きの固定電話に変わるんですけどね。
そして何故か固定電話の番号が流出しているのが当たり前な時代でもありました。
小学校からも注意のプリントが渡されるくらい不審な電話のオンパレードでした。
無言電話だったり、名前を聞き出そうとしてくる電話だったり、生理の有無を聞いてきたりパンツの色を聞いてきたり。
決まって男の人の声でした。
小学校低学年の時のある日、夜8時頃だったかと思います。
家族で夕飯を食べ終えてテレビを見ていると電話が鳴りました。
近くに座っていた私は立ち上がり電話を取りました。
「はい、遊真野です」
「アンケート調査しておりましてお時間大丈夫ですか?」
「あ、お母さんに変わりますか?」
「いえ、そのままでいいですよ。まずはお名前をお願いします」
「蜜柑です」
「何歳ですか?」
「9歳です」
「小学生ですね」
「はい」
「学校名は言えますか?」
「○○小学校です」
「お友達のお名前は言えますか?」
「△ちゃんと□ちゃんと✕ちゃんと…」
「自分やお友達で生理が始まっている子はいますか?」
「セイリってなんですか?」
電話で話してることを不審に思った母親が近づいてきて言いました
「何の電話?」
「アンケート調査って言ってたよ?」
「っ!!」
母親は私から受話器を奪うとそのままガチャンと電話を切った。
「何でもっと早く電話切らなかったの?」
「変な電話だったの?わからなかった」
そのまま10分程怒られてもう寝なさいと言われてその日は寝ました。
この日以降、あまり夜の電話は出なくなりました。
夕方5時頃の電話には出てたのでこの後も何度か受け答えしてしまってました。
パンツの色を聞いてきたりハァハァしてる電話も有りましたがそれはそっと受話器を置きました。
夜の電話には親が出るようになり、たまに掛かってくる変な電話は減ったと思いますが、「蜜柑さん居ますか?」と成人男性が掛けてくる事も暫く合ったようで「居ません(ガチャン)」と対応していたようです。
父親が電話取って「そんなやつは居ない!!(ガチャン)」って言ってるの聞いたこともあるので電話してきてる人は同じ人だったのかな?と今は思います。
②中学生時代
これはハッキリと覚えています。
中学三年生の時の誕生日の日でした。
中学生時代は寝る子は育つを信じて毎日21時頃には寝ていました。
身長は育ってくれませんでしたが。
基本的に一度寝ると揺すられても起きないタイプでスヤスヤと朝7時過ぎまで惰眠を貪ってました。
学校まで歩いて25分〜30分かかります。
割とギリギリまで寝てましたね。
その日もいつもと変わらない平日で
誕生日のお祝いに好きなメニューを作ってもらって食べて、ケーキを食べていつもより遅くまで起きてました。
お笑い番組かなにかやってたんで観てたんです。
21時を過ぎた頃、電話が鳴りました。
普段ならおやすみ〜と言って部屋にいる時間でしたが誕生日でちょっと浮かれていたんです。
電話を取ってしまいました。
「もしもし遊真野です」
「………」
あ、無言電話かな?
誕生日なのになぁ~とか思ってましたがもう一度声をかけました
「もしもし?」
「………蜜柑ちゃん?」
無言電話じゃなかった!?
「はい…?」
アカン、これ不審な電話なパターンだ
数年ぶりに不審な電話に遭遇した私。
小6でスポ少に入り、中学校時代は部活動で忙しく全然、電話取らなかったのです。
この頃には番号表示機能付きの固定電話に替えていた為か、親も知らない番号からの電話は余り出なくなっていたようです。
でも、電話取っちゃたー、どうしよう。
そんなこと考えてる私に電話の相手はこう告げてきました。
「………蜜柑ちゃん、誕生日おめでとう………」
寒気がして気持ち悪い。体がカタカタと震えていた。
電話越しになにか喋る声が聞こえていたけどそのまま受話器を置いて切った。
「電話どこから?」
母親の問いに私は嘘をついた。
「間違い電話だったよ、眠くなったから寝る、おやすみなさい」
そのまま急いで部屋に向かってベッドに入って布団を被った。
怖くてでも親にバレたらまた怒られる気がして声を殺して静かに泣いていた。
親にはそのまま言えなかった。
どこの誰かも知らない人に誕生日おめでとうと言われて私は恐怖を感じで初めて電話を怖いと思った。
小学生時代の電話の相手の声とかは全然覚えていないけれど、「誕生日おめでとう」の声だけは今でも覚えてる。
だから私は男性の低い声が苦手だ。
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