第11話 こっくりさん?とオトモダチになってみた
中学三年生の夏休み明けから冬休み前にかけて、とてつもなくコックリさんが大流行した。
私も毎日のようにやりました。
ノート破って書き込んで十円玉を準備して
中休み、昼休み、放課後
色んな人とやりました。
男女関係なく。
私がやると必ず動く。
そして空気が変わる瞬間がある。
そしておかしな動きをする十円玉。
もうそれはそれは楽しくて面白くて時間と人が合えば教室でも廊下でも昇降口でも体育館でもどこでもやりました。
今思えばなんであんなに狂った様に毎日やっていたのかわかりません。
きっと取り憑かれていたのかも知れませんねぇ。
さて。
いつものように教室で放課後に毎日の様にコックリさんをしていると何となく空気が変わる瞬間がわかる様になってきた。
そしてソレが移動している事もわかる様になってきた。
霊感があるとか思ってた私は普通の事を聞くのではなく、コックリさんについて聞いてみることにした。
「あなたは男ですか?女ですか?」
コックリさん=降霊術と認識していたので普通に問い掛けていました。
十円玉はゆっくりと おとこ と動きました。
「あなたは今教室のどこにいますか?」
何となく扉付近が気になって聞いてみた。
十円玉はゆっくりと文字をなぞって動いていく。
と ひ ら
一緒にやってる子達が言う
「私、ベランダだと思ってた」
「私は黒板の前だと思ったのにー」
他の子がなにか違う質問をしたり年齢を聞いたりしていると
ズシリと右肩が重くなった。
不自然にちょっと前のめりになりかける私。
左利きだから左手で十円玉押さえてたから手は離れていなかった。
見えないけど何か圧がある…
「私が質問してもいい?」
「いいよー」
ふーっと深呼吸してから覚悟を決めて聞いてみた。
「あなたは今、私の右肩にいますよね?」
いつの間にか右肩が重だるいというか鈍く痛くて
でもひやりとした嫌な空気などは無かったので多分同じコックリさんのままだと思ったので聞いた。
一緒にやってた二人はギョッとして私を見ていた。
「何か右肩重くてさぁ、大丈夫、変わってないよ」
十円玉はゆっくりと はい に移動した。
「波長合ったのかな?気に入った?」
続けて質問すると少し動いてまた はい で止まった。
「そっか、除霊できないし姿も見えないけどそれでもいい?名前教えて」
他の二人は静かに十円玉に手を乗せて見てるだけだった
ゆっくりと十円玉は名前を教えてくれた。
○ ○
この日から私がコックリさんをやるとこの霊が8割位来てくれるようになった。
下校時間が迫っていたのでその日はそれ以上質問をせずに十円玉を誰が使うのか聞いて終わりにした。
今も中学校にとどまっているのか
それとも…………
私に取り憑いていたのか
すべては謎のままである
だって私は見える人ではないから
ソレを知る方法を知らないのだから
嘘みたいなホントの話
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます