第10話 中学校の英語教師
私が通っていた中学校は丘の上にありました。
三年生の時の英語教師は若く話しやすい先生でした。
三年生では絶賛オカルトが大流行中。
見える聞こえる感じる等の中二病全開の子が沢山いました。
私もその一人ですけど。
きっと類は友を呼んだんだよね。
こっくりさん、キューピットさん、エンジェルさま。
様々なものが流行り学校全体で行われていました。
先生達はあえて禁止せず放置してましたね。
そんな中、英語教師の先生だけは違いました。
「俺は霊感がある!!」と言っていました。
ある日、友達とこっくりさんをやり終えた時に先生が来ました。
「下校時間だからそろそろ帰れー」
帰り支度をしながら先生と会話するこっくりさんやってた友達。
ふと視線を先生に向けると見えないけど何となく先生に抱きついてる子供のイメージが湧いてきました。
「先生、最近お腹痛くなることない?」
私が聞くと
「締め付けられる感じの痛みで」
「水子憑いてる」
感受性の強めの自称霊感少女のYちゃんとEちゃんも同意しました。
「あ、やっぱり?最近謎にお腹痛くなることあってさ。」
先生は続けて言いました。
「通勤途中、信号に引っかかると必ず車の上からドンドンと音がする場所があるし、きれいにしても学校に来ると窓に手形付いてるし、最近謎現象多いんだよね。」
「水子憑いてるのは先生自身のせいかは知らないけど気を付けてねー?」
「先生の車どれ?」
YちゃんとEちゃんが気になったのか教室から出て廊下の窓を開けて職員駐車場を見下ろして言いました。
先生と私も付いていき、先生は車を指差しました。
「あの小さな車」
ん?一瞬……女の人乗ってるように見えたのは気の所為ってことでいいよね?
二人共引き攣った笑みを浮かべていたので気の所為じゃなかった……
「あ、見えた?車に女の人居るんだよねwww」
アッケラカンと先生が言ったので常駐なんですね、と笑うしかなかった。
私が見えたのは感受性強めの二人と先生が居た事で感知度が上がったからで一瞬だけでした。
2度見した時には見えませんでしたから。
「ほら、帰り支度しろー。」
「「「はーい。」」」
先生が特に気にしていなかったので私達も特に気にしていなかったですが結構、先生の顔色悪い事のほうが多かったです。
「こっくりさん、ほどほどにしとけよー」
先生、多分もう、遅いと思う。
みんなやってたから百回どころじゃなくされてたよ。
しかも炊き上げることを誰一人としてしていなかった。
紙を破り学校の敷地内のそこかしこに埋めていたから。
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