第9話 夜中に目が覚めるけど…

夜中にふと寝返りを打って視線を感じたことはありませんか?



私はあります。



流石に嫌な予感しかしないので怖くて目を開けたことはありませんが


実家で過ごしていた時ですが何度かありました。



目の前に何か「居る」気がするんですよ


ジーっと見つめられてる気がして起きたけど目が開けられない


でもどうせ目を開けたとしても何もいない。


だって一人で寝ているんだから。


だけどジーっと見つめられてる気がして目を開けたくない。


そんな葛藤をしてもう一度寝返りを打つと重かった様な空気がふっと無くなって視線を感じなくなる。




怖いときは




空耳的に



おーい

とか

ねぇー

とか

聞こえてくる気がする



落ち着こうと携帯電話を手にとって時間を確認すると決まって深夜2時前後



鼓動が早まって二度寝出来なくなる。






これは二十歳を過ぎた時のある日。


視線を感じる…、そんな事がたまーにある私



1月のとても月明かりが明るくて空が澄んでいて綺麗な星空が見えた日だった。



普通に夜寝ていたら何となく視線を感じた。



いつもみたいにイヤな感じがしなくて


なんだろう。



この日は離れて暮らしているおばあちゃんをイメージした。


名前を呼ばれたとか声を掛けられたとかそんなんは全然なくて


ただジーっと見つめられてる



イヤな感じも怖い感じも無かったから私は目を開けた。



もちろん、誰もいない。



でも何か違和感を覚えた。


私の部屋は普通だ。


ふと、お母さん…と思い立って両親の部屋を覗いた。




そこに母親はいなかった。




深夜1時半ごろだったと思う。




そ~っと廊下へ行き二階の窓から外を見る。

月明かりに照らされた車がある。

母親が運転してどこかに行ったわけじゃない。

モヤモヤした気持ちと怖い霊的な意味じゃなく嫌な予感がして母親に急いでメールをした。



『お母さん今どこにいるの?もしかしておばあちゃんに何かあった?』



おばあちゃんは癌の宣告を受けていて余命3ヶ月と言われていた。


丁度余命3ヶ月目だった。



お母さんからすぐにメールが帰ってきた。



『おばあちゃんが十二時すぎに息を引き取りました。葬儀屋さんと一緒におばあちゃんの所に向かっています。みんな寝てたから連絡しませんでした』



じゃぁ、さっきのおばあちゃんをイメージした視線を感じたのは…………?


実際に見えるわけでもない私には確かめようがなかった。


受信塔だ電波塔だ言われていたって知りたいものがわかる訳じゃない。


あの視線を感じたのはそれきりで最後に私の所に来てくれたのかな?って思うことにした。



亡くなってから十年以上が経っているが、墓参りに行きたいと思っていてもド田舎から東京までは遠い。



それでもいつかは墓参りに行きたいと思っている。

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