第8話 彼氏とデート中に視たのは…?
旦那がまだ彼氏だった20歳前後の頃、夕方前にデートで公園を訪れていた。
車を駐車場に停めて他愛もない会話をしながら少し外を歩こうかという話になり、散策に行きました。
人はまばらでジョギングする人、同じようにカップルで手を繋いで歩く人や腕を組んで歩く人がいました。
この頃の私はまだ恥ずかしがり屋だったので手を繋いで歩くだけで真っ赤になるほどで照れながら歩いていました。
十数メートル先をカップルが歩いていたり少し遠い道をジョギングしている人がいたりしましたが照れてる私を見てイタズラ心に火の付いた彼氏にいきなりキスされてビックリしました。
「ほ、ほらあそこに人が居るから駄目だよ。普通に歩こう?」
「え?人いないよ?」
「え、でも、ほらあそこに白いワンピースを来てる女の人居るよ?」
半袖のワンピースを着た女の人を指差しました。
その人は奥へと移動していました。
「みーかーんー?」
呼ばれてそちらを向けば優しく抱きしめられテンパった私はそれを跳ね除けました。
「ほら、だから人が見てるってねぇ、奥に白いワンピースを着た人が……あれ?居ない……」
「うん、気にしない」
「あれ?でも……さっきは確かに半袖の白いワンピースを着た女の人いたんだよ?」
「うん、気にしない」
「あっちからそっちに歩いて……動いてた?……あれ?、もしかして……」
「だから、気にしない」
「昔もさ、今みたいにワンピースを着たお姉さん歩いてるって思ったことあったんだけどもしかしてそうなの?」
「なんで認識したの?」
「え?いや、気になって……でももう視えないよ?」
「そりゃぁ、憑かれれば視えないよ……はぁ…」
彼氏は視える人でした。ただ視える人。
認識しないようにと言われても好奇心旺盛だった私はどうやら認識してしまったようで波長が合ったらしく私にすぐに取り憑いてきたそうです。
公園散策をやめて車に戻る間、何となくおでこ付近がむず痒くなっていた。
「そのうち飽きたら出てくでしょ」
彼氏はそう言っていたが私は内心で
(居心地いいなら居たいだけ居ればいい)と楽観的に考えていました。
この霊はどうやら彼氏が嫌いのようで彼氏と会っているとおでこ付近がむず痒くなったり急にイライラしたりと結構振り回された。
払える人に払ってもらうまでの2年近く一緒に居ましたが特に乗っ取りとかはなかったと思います。
彼女の意思なども全然わかりませんでしたが払ってくれた人(私から剥がしただけ)曰く
男に裏切られてあの場所に留まっていた所に私がたまたま視た事で取り憑いてきたそうです。
それからその公園には何度か行きましたが視ることはありませんでした。
嘘みたいな本当の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます