幸せモルとお転婆ミコの日常
砂上楼閣
第1話
モルモットのモルはよく寝ます。
ご飯をいっぱい食べて、散歩して、大好きなママさんと遊んだらお気に入りのクッションの上でゴロン!
ふんわりふかふか、今日もあったかいい気持ちです。
ーーーふわふわ
ーーーすやすや
今日もぐっすりよく眠っています。
しかしどこからともなく騒がしい音が。
ーーーどたどたどた
『ぷ?』
何かが走り回る音で目が覚めます。
むにゃむにゃ、ぐでーんと伸びながら転がり一回転。
モルはちらりと音のする方を見ました。
『またミコちゃんでぷね。朝から元気ぷなぁ』
元気一杯走っているのはうさぎのミコちゃん。
チェスナット色のふんわりした毛並みの女の子。
リラックスしている時は耳が垂れていますが、元気な時はピンとします。
家中を走り回っては、新たな巣を作るのが趣味です。
気分が乗っている時は夜でも楽しく巣作りします。
ところ構わずほりほりするので、ママさんもぐったりです。
今日も捕まってゲージの中。
いい運動したわ!と満足げな様子。
おめめがキラキラしています。
明日もきっとほりほりするのでしょう。
うさぎは年に4回ほど換毛、毛が生え変わるのですが、ミコちゃんは女の子なので抜けた毛を巣作りに利用したりします。
なのでお部屋はミコちゃんのおけけがたくさんです。
『ぷぅ、もう一眠りするぷ…』
そしてモルは再び夢の中。
大好きなピーマンを始め、たくさんの野菜に囲まれて幸せいっぱいです。
『ぷぷぷ!どれから食べるか迷うぷなぁ!』
勘違いされがちですが、モルたちモルモットは昼行性。
お昼に動き回り、夜には寝ます。
ハムスターが夜行性なので、モルモットもそうだと思われていることが多いです。
モルの場合はお昼寝が好きで、明るくても眠ります。
そして夜もぐーぐー眠ります。
よく食べてよく眠るので、ちゃんと運動をしないと太ってしまうので注意です。
ーーーグゥ…
『……ぷ?』
お腹の音で覚めます。
夢の中でたくさん食べましたが、それはあくまで夢の話。
ペコペコのお腹がぐうぐうごはんを催促します。
『おなかすいたぷなぁ。ごはんはまだぷか?』
いつもならママさんがごはんを用意してくれます。
しかしママさんは何やら作業中のようです。
最近アクセサリー作りにはまっているみたいです。
『ごはんごはんごはんぷよ〜。お腹すいたぷよ〜』
ーーーうろうろ
モルはごはんの催促しに行きます。
しかしママさんは集中していて気付いてくれません。
仕方がないのでごはんがある場所で待つことにしました。
『ぷぷぷ♪ここにお野菜があるのは分かってるぷよ』
白くて大きな箱の前でごはんを待ちます。
開くとひんやり冷たいこの箱が、モルは大好きです。
『ぷぅ!早くお野菜くださいな!』
「あれ、モル?……ああ!ごめんね、すぐごはん用意するから」
『ピーマン!ピーマンが食べたいぷよ!』
…………。
ダムダムダム!
ご飯を食べて満足したモルがお昼寝していると騒がしい音が響いてきました。
『またミコちゃんプね。ほんとボールが大好きプねぇ』
ミコちゃんはボール遊びが大好き!
白くてキラキラしたボールの上にのっかって、体ごとダムダムと跳ね回ります。
興奮して後ろ脚で床を蹴る、いわゆる足ダンをしています。
警戒している時にウサギがよくする足ダンですが、ミコちゃんはよくママさんを蹴り蹴りします。
「ミコちゃんはそろそろゲージに戻ろうねー。次はモルね」
『今日もママさんはかまってちゃんぷね』
大好きなピーマンをふりふりされて、モルはゲージから出ます。
モグモグしてたらおひざに挟み込まれ、もふもふされます。
『ご飯中ぷ。マナー違反ぷ。モグモグしている時にしょうがないぷなぁ。捕まってあげるぷよ』
残念ながら縄張り意識や時期によっての警戒心があり、モルとミコはずっと一緒には外にいられません。
けれど交互にママさんに構ってもらえてご満悦です。
こうしてモルとミコの日常が過ぎていきます。
幸せモルとお転婆ミコの日常 砂上楼閣 @sagamirokaku
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