最終章 再開
★
「はあ~~~」
「どうかしたんですか?」
「ああ、宇津美ちゃん聞いてくれる? 僕ね。来月からクビだって。お仕事なくなっちゃったの」
「ああ、南野さんも聞いたんですね。わたしもですう」
「はあ~来月からどないしよ。はあ~あ~。なんだってなあ~。あ~」
「多かったですからねえ……視聴者からの声。わたしたちのコーナー、邪魔だって」
「まあねえ。僕ら映る度にトイレタイムとか言われたもんねえ。アイドルの生活だけでいいもんねえ。実際ねえ。邪魔って言われれば邪魔だよねえ。言われてみればねえ……でもねえ。必要な存在だとも思うのよねえ。刺激になるっていうかさあ」
「はあーあー。わたしもアイドルやってみようかなー。先輩見習って」
「自分いくつよ」
「あー! 女性に年尋ねるなんてひどーい! これでもまだぴっちぴちの二十三ですー!」
「ぴっちぴちて。今どき言わんて」
「南野さんそんなんだから炎上するんですよー。ところで関田さんは?」
「おはようございますー」
「ますー」
「ますー」
「なあ、関田くん。聞いた? 僕らクビになるって」
「ああ聞きました聞きました。お二人ともクビになるそうで。いやあ、今までお疲れ様でした。あ、まだちょっと期間残ってるんでしたっけ?」
「は?」
「え。ちょっと待って。関田くんは?」
「僕はクビになってないですよ。なに言ってるんですか」
「えー! なんでー!」
「関田くーん! どういうことー!」
「番組側も選定してたようですよ? 好感度というか。コメントとか見て。南野さんも宇津美ちゃんも発言、結構過激でしたからねー。使いづらかったんじゃないですか?」
「……」
「……」
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