第七章 裸の付き合い
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「さてさてっ! 三週目も後半戦! 投票が続々と始まっております! ここに来て投票数が爆発的に伸びているそうで、番組スタッフも集計が大変だと嬉しい悲鳴を上げております! 関田さん一体何があったんでしょうか!?」
「またまた~南野さん、分かってる癖に~。ていうか毎回この下りいる? まあ、そうですねえ。衝撃告白でしたねえ。染夜愛さん。国民的歌手の抱えていた闇とは――って、もう昨日からネットで話題ですよ? ツイートだけじゃなくて記事も書かれてますし……染夜さんからしてみればこの反応は喜ばしくないんじゃないでしょうかねえ。いやまあ、普通に喜ぶべきことじゃないんですが」
「ですねー。何よりも目立つのを嫌う! なーんて、僕たちからすれば全くの正反対なわけですが。お気持ちは理解できます。けど人前で歌いたいぃ! はあ……人間てのは矛盾した生き物だってのを感じずにはいられません……そして知菜ちゃん! セーフ! なんとか鼎ハウス脱落回避! 薫子ちゃ~ん、グッジョブ!」
「他の方と違って、知菜ちゃんはこれまでメディアにも一切出ていないんですが、順位もずーっと中間をキープしていて、彼女、妙にファンが多いんですよね。高得点を付けている方の年齢層が十代~八十代までとかなり幅広いんです。他の方だと偏ってるんですけど」
「正直知菜ちゃんが脱退を申し出て、愛さんまで出て行くって言った時には番組スタッフ、肝を冷やしたそうですよ。はわわわわわーっ! どうなっちゃうのーっ!? ってな具合で」
「誰やねん。そして誰やねん。そんな番組スタッフうちにいないでしょう……って、宇津美ちゃんどしたの? なんか静かじゃない?」
「轍の野郎……先輩の顔に泥ォ塗りやがって……」
「ちょちょちょっと宇津美さん!? カメラ回ってますよ!?」
「……コ○ス」
「って! お前が炎上させてどないすんねーん! はいっ! ってなわけで、番組スタッフによりピー音掛けさせて頂きました~! こんなこともあろうかと! リアルタイムでピー音掛けられるようにしてるんですよー!」
「宇津美ちゃん? 宇津美ちゃん? ちょーっとあっち行ってようねー……」
「はいっ! というわけでっ! さっさとスタート!」
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