第六章 脱落
☆
「いたっ」
「大丈夫?」
知菜が脚をもつれさせて転んだ。
近くにいた新垣がすかさず知菜を助け起こす。
「ごめんなさいねえ」
愛がのんびりとした口調で礼を言った。
「このくらい平気。ごめん。でもありがと。千里」
「じゃ、一旦きゅうけーい」
二時間のダンスレッスン。三十分毎に塩入が五分間の休憩を入れる。子供と大人の体力は違うし、集中力だってそんなには持たない。もちろん栞だってまだまだ付いていけてない。
気丈に振る舞っている知菜だが、ダンスの後半はしょっちゅう転倒していた。見ていて思ったのは、バランス感覚が元々そんなに無い子なんだろうな、ということだ。
「……っすん」
ちらりと視線を向けると、知菜はタオルで顔を拭う振りをして涙を拭っていた。
声を掛けるべきか。
栞に弟や妹はいない。六歳も年の離れた子供にどう接するべきなのか分からなかった。
「知菜ちゃん。大丈夫?」
「……」
新垣の心配する声に知菜は応えずタオルを被って上を見上げている。
休んでいる、というより声を掛けるな、という意思表示に見えた。
――こういう時にアリサさんがいれば……。
アリサはそんな知菜の振る舞いなど構うことなく弄り倒していた。
『泣いてんの?(笑)ウケる~』
『まーたおんなじとこで転んだー』
親のいる前でだ。よくやるなあと思ったものだが、今から思えばあれはアリサなりの優しさだったのかもしれない。最後に知菜にだけ別れを告げたことを考えると、だが。
『泣いてない!』
『次は大丈夫なの!』
『うるさい!』
立ち向かうように応えていた。負けん気の強い子なのだろう。
今の知菜はただただきつい練習に耐えているように見える。口うるさい者がいなくなって、せいせいした反面、元気を失ってしまったような。
――そりゃそっか。
天井隅を見上げる。
カメラのレンズがきらりと光った。
二十四時間毎日監視。休む暇もない。その上日中は学校に通って、帰ってくれば日中の遅れを取り戻すように夕方から夜遅くまで歌とダンスのレッスン。精神的に持つはずがない。
友達と遊ぶ暇もないに違いない。
由利穂は慣れているだろうけど、知菜はそうじゃない。
「だんだん調子よくなってきたね」
「うん。お陰様で」
由利穂はレッスンの際、塩入とは別に、時々アドバイスをくれる。もっとこうした方がいいよ等、軽いアドバイスだ。そのお陰か、肩の力は抜け、ダンスは元より由利穂に対するぎくしゃくまで和らいできた栞である。
――愛さんは。
愛は娘のことよりも自分のことで手一杯のようだ。
ひいひい息を吐いている。
歌は得意だが、ダンスはそこまで得意じゃないらしい。そういえば当時の染夜愛の映像を見てみても、基本棒立ちで歌っているだけだ。歌手としてはそれで正しいのだろうが。
――轍は。
と、見ればスマホを眺めていた轍と目が合った。
「どーしたっすか?」
「いえ。なにも」
慌てて目を逸らす。
今頃コメントでは、
『はい入りましたー新垣の露骨なアピール』『子供にその接し方は違うと思う』『むしろ声掛けない方がいい』
というコメントと同時に、
『アピールっつーか普通のことじゃね』『千里ちゃんの露骨な下げマジで画面汚れるから見たくない』『なんかする度に荒らし湧くからめんどくせー。対策して欲しい』
などといった議論が交わされていることだろう。
ここ数日度々起こっていた。栞も見ていて辟易したほどだ。
新垣も朝方に一人配信サイトを見る際、表情が曇ることがあったらしい。そんな時間にまで熱心にネガティブ発言をしていく人がいることに栞はまず驚くが、それでも新垣の表情が曇ったのは最初だけで、以降は気にしなくなったとか。
果たして轍の狙い通り(?)に投票結果に影響が出るかどうか。
「はい。休憩終わりー。やるよー」
知菜の目元はほんの少しだけ赤くなっていた。
そんな中、薫子は何気なく皆を眺めていた。
「おしっこ……」
栞はトイレが近い。
夜中などは度々トイレに起きる。お陰で配信コメントでは『おしっ娘』『きた。おしっ娘』などとからかわれていた。
割とこういうセクハラ紛いのコメントに、POTは緩い。
あからさまな誹謗中傷を伴うコメントには制限が掛けられている様子だが、基本寛容だ。
最も、栞も顔が赤くなったのは最初の数日だけで、今はもう慣れてしまっていた。
「ん」
トイレを終え、部屋に戻り、付けっぱなしのノートパソコンにちらりと目をやると、メインで愛と知菜の部屋が映し出されていた。珍しい。この時間に電気が付いているなんて。夜ふかしをするような親子じゃないのに。アリサがいなくなってから、メンバーに夜ふかしする者がいなくなり、この深夜十二時過ぎ以降の時間帯は大人しいものだった。
部屋では愛と知菜が向かい合わせでなにやら話している。様子が変だ。
栞は気になって、スピーカーのボリュームを上げてみた。
「やめたい?」
「もう……できない……」
『!?』『まじか』『まあなあ』『遅かれ早かれって感じだったな』
――……へ? 辞める?
驚いて一気にボリュームを上げた。
どうやら知菜が母にこの企画を辞めたいと告げたところらしかった。コメントは驚きに満ちている。栞だって同じだ。びっくり。だが遅かれ早かれと言われれば、昼間の件もあって納得出来てしまう。だけど。それにしたって。
「……ママ、ごめん。あたしから言い出したのに……ママは続けていいから」
画面は知菜の背中を映している為、表情は伺い知れないが、声は震えていた。また昼間のように泣いているかもしれない。
対する愛も露骨に落ち込んでいた。娘を憂いているのか。それとも。
溜息を吐く。
「そういうわけにもいかないでしょう。ご飯とか色々どうするの。知菜が出て行くならママも一緒よ」
「……っすん……っひぐ」
何も応えないところを見ると、愛の回答は分かっていたんだろう。
小学生の一人暮らし。無茶な話だ。
……いや。
――そういえば父親はどうしたんだろう?
自分でも今までそこに頭が回っていなかったのが不思議だが。
親が愛一人なはずがない。父親だってどこかにいるはずである。
別れたのだろうか?
日本の国民的歌手を十六歳で妊娠出産させる。
どうせ禄な相手じゃないとは思うが。
『愛がいなくなるならもう見なくなるかも』『同じく』
そういう視聴者もいるだろう。それだけ彼女の存在は番組にとっても大きい。
「明日言う?」
「……うん」
画面ではもう話がまとまっていた。どうしようもない。自ら脱落を申し出る、いつ誰が言ってもおかしくは無かったが、それが始め、あんなにやる気に満ち溢れていた知菜からだとは。不順な動機でこの企画に参加している栞からしてみれば皮肉なものである。思えば、知菜はこの中で最もワケアリとは縁遠い存在だ。親の存在を考えなければ、どこにでもいる小学生なのだから。
ワケアリでもなんでもない。
――……いや、実際のところ、愛さんや知菜ちゃんの抱えている事情はよく分からないのか。
栞も、妊娠して出産したという世間一般の認識している情報をただ知っているだけだ。別段それを問い質そうとも思わないが。
ワケアリな事情を抱えているといえば、間違ってはないのか。
バーンッ!
「へ」
画面を見ながら考えに耽っていると、物凄い勢いで扉が開かれた。
栞の部屋じゃない。画面の向こう側の話である。
「ひゃあっ!」と知菜が可愛い悲鳴をあげた。
「な、なにやってんの……かおちゃん」
現れたのは薫子だった。
いつもパジャマとして愛用しているだぶだぶのプレイボーイのスウェット姿。瞳には涙を溜めて、唇をわななかせて、半泣き状態。膝から崩れ落ち知菜へと縋る。
「なな、なんなのよっ!」
「だだだだだだめー!! だめだめー!! せーっかくせっかくここまで頑張ってきたのにー!!」
「……ええっと、薫子ちゃん?」
愛が戸惑いながらも訊く。薫子は知菜に縋り付いている為、愛には尻を向けた状態。いきなり現れて失礼極まりない。
「あ、ごめさいごめさい。パソで聞いてましたあ。盗み聞きはめーですよね。でも今は怒らんといてください。ね、それよりも知菜ちゃん知菜ちゃあん。辞めるなんて言わないでよ~。まだやろうよ~。きついならレッスンさぼっとけばいいじゃんさー? お姉ちゃんと一緒に上でサボって卓球してよーよお。そうしよお」
「た、卓球? え、と。え? ていうかなんなのあなた?」
「薫子さんだよ? はじめまして?」
「知ってるわよ。……サボるなんてそんなの許されるわけ――」
「なんで? べつにいいじゃん一日とか二日とか一週間くらい。辛い時とか嫌な時なんていくら逃げても良いんだからさー。ほらほら薫子さんみたく。もちもち、持ち逃げはメーだよ?」
「は?」
慰めているのか、和ませようとしているのか、それともただ単に巫山戯ているのか。薫子は付き合いが長くないと勘違いをされやすいが、栞には理解る。あれはべつに巫山戯ているわけじゃない。知菜を引き留めようと必死なだけだ。
「かおちゃん……」
呆れ半分感心半分。
縋る薫子に、知菜は戸惑いを滲ませながら――というより若干引きながら――尋ねた。
「……どうして、あたしなんかに……」
「どうしてもこうしてもないよ~。感情説明しろとか言われてもわかんないよ~。知菜ちゃんかわいいし頑張ってるしい、愛さんはとりあえず凄いんだからとりあえず居とけばいいじゃんねー?」
「とりあえず」
その言い方がツボに嵌まってしまったのか、愛がくすりと笑った。知菜はそんな愛にちらりと目をやり言う。
「ダンスで、みんなに迷惑掛けるかもしれないわ……」
「知菜ちゃんのダンスキレッキレじゃーん。転ぶとこだけ注意しとけばいいんだよ~。ほーら子供の頃ってよく転ぶじゃん? 薫子さんもそうだったよ? それなんじゃない? 知らんけど。ね? 仕方ないんだよ~難しく考えすぎなんだよ~。今度しおちゃんとか見ててよお。動き、トロットロの癖して、めえっちゃ誤魔化して付いてってるんだから~。汗拭いて『ふー』って。やってやったぜ感って言うの? 『ふー』って」
「そ、そうなの?」
「そうそう」
「ちょっとかおちゃん?」
『草』『www』『フリーダム過ぎる』『しおちゃんとばっちり』
メインカメラが一瞬、画面の前で部屋でツッコむ栞に切り替えられた。それがまた視聴者の笑いを誘う。勘弁してくれ恥ずかしい。
「……でも」
「だいじょぶだいじょぶ。どうせ辞めるつもりだったんなら少しずつサボってもいいじゃん。たいして変わんなくね? よし決まり」
「…………少しだけなら」
「やったあ。薫子さんもこのレッスン、毎日はやり過ぎだと思ってたんだあ。週三くらいで休んじゃおうねえ」
「え、流石に週三は無理」
「じゃあ二にしよう」
「一なら……」
何故薫子の方がサボる日数を伸ばす交渉をしているんだろう。辞めるのを止めに来たのではなかったのか。
「真面目だにゃあ。じゃあ明日休もうね。いいよね? 愛さあん」
「はいはい」
ほんの少し笑顔を取り戻した知菜。その姿を見て楽しそうにころころと笑う愛。和やかな雰囲気だ。これで一旦は事態収束――誰もがそう思っていたところに薫子は続けて言う。
「ねえねえ。愛さん。なんで歌手引退しちゃったの?」
「え」
『ぶっ込んで来た!』『フリーダム過ぎる』
「ファンだったのー。もちもち。まだ小さかったから後追いだけどさあ。でも、ああ、なんで歌やめちゃったんだろうなあってずっと気になってたの。会ったら訊いてみよって思ってて。なんか今ついでに訊いとこうって」
「ついでって」
栞と画面の中の愛が同時に言葉を漏らした。
薫子はとにかく言葉のチョイスが下手な子なのだ。
「この際だから? せっかく? まあいいよね? ね、知菜ちゃん。パパは? いるの? いないの? あ、いないんなら薫子さんがパパになったげようか?」
「ええっと……」
知菜が言い辛そうに愛を見た。
「あーもう」
止めに行くべきだろうか。いや、このまま見ていたい気もする。
栞が悩んでいると愛はふっと柔らいだ。
諦めたというよりも、もういいか、と自分に言い聞かせているような笑顔で。
「パパはね……いないの。いなくなっちゃたの。当時のマネージャーでね? 逃げられちゃった」
――マネージャーが相手……凄いことを聞いた気がする。新聞でも週刊誌でもテレビでも愛の相手は今まで明かされていなかった。
「そうなんだ? あ、ですか? 付き合ってたんですか?」
「ふふ。もういいわ。あなた、敬語なんて出来そうにもないもの。そうね。付き合ってた。まだ彼、若かったの。私も若かった。あの時は、仕事仕事で本当に大変で――そんな時に支えてくれたのが彼だった」
「なんで逃げたの?」
「プレッシャー。ほら、私、今はこんなんでも当時は人気あったから。事務所の色んな人から責められて、彼、重圧に押し潰されちゃったんでしょうね。そんな時に支えて上げられなかった私にも責任はあるんだけど……もう連絡も付かなくて」
「禄でもない旦那だ~。じゃあやっぱ子育て大変だったから辞めてたの? んで、知菜ちゃんおっきくなったからもういっかなって感じ? でも何故にアイドルグループ? ソロでいいじゃんソロで」
膝を見つめていた知菜が顔を上げた。
「それは……あたしも気になってた。どうしてママは今回すんなり参加してくれたんだろうって」
「それは……」
そこで愛は暫し沈黙した。薫子も知菜も急かすような言動はしなかった。
そうして、暫く愛の言葉を待っていると、愛は、ゆっくりと、伏し目がちに、言い難いことを話すように告白し始める。
「私も押し潰されちゃった人間の一人だから」
「どゆこと?」
薫子が問い返す。
栞も分からなかった。いや、言葉の意味は分かる。しかしそれが企画参加とどう繋がるのかが分からない。
押し潰されたんなら普通、参加しない選択を取るんじゃないのか。
「バッシングされたのね。私も。それはそうよね。十六歳で妊娠。歌手とはいえアイドルっぽい売り出し方もされてたし、一冊だけど写真集とかも出したの。水着は着なかったけど、グラビアは何度か撮った。そういうファンもいたの」
「あ~。薫子さんもそういうの来た~。写真集とか水着とか。やだから断ったけど」
歌手ならべつに珍しくはないだろう。
愛はスタイルも良いし、モデル顔だ。アイドルファンに好まれるような、あどけない顔立ちではないが、アイドルでも十分に通じる容姿をしている。
そんな彼女をアイドル視していたファンだって多くいたはずだ。バッシングも相当あったろう。
「埋没しようと思ったの」
「まいぼつ?」
「埋もれたかったの。その他大勢に。歌は続けていきたいけれど、一人は嫌。また何か言われるくらいなら死んだ方マシ。攻撃対象にはなりたくない。ソロなんて出来ない。バンドだってボーカルが一番目立つ。なら……だったら、グループなら大丈夫だって――それも私と同じ境遇の人たちの中にいれば――」
その目はどこに向けているのか。
薫子ではないだろう。正面の、パソコンの画面をじっと見つめているように見える。
「――私は目立たない」
「……ママ」
得心がいった。
ここに始めて来た日のこと。
どうして愛が由利穂の背中を見つめてあんな似合わない嗤い方をしていたのか。
グループのトップに立つアイドル、またその仲間たちから手酷い仕打ちを受けて嵌められた由利穂。彼女はあの日、ありのまま起こったことを告白した。
センセーショナルな扱われ方をするだろう。そこにいた誰もがそう思った。一度は番組の存続さえ危ういのでは、と栞は思ったほどだ。幸いそれは回避することが出来たが、彼女の告白は世間を賑わせた。震撼させたと言ってもいい。流石に下火にはなってきたが、今でも思い出したようにワイドショーで話題に上るくらいに。
ティンキーはそれくらいの巨大グループだった。
「歌うのは好き。でも目立つのは怖い。けれど、私が人前で歌えば」
「ま、嫌でも目立っちゃうよね~。だったらもっと目立つ人の中の群れにいればーって感じ?」
「そういうこと」
――そういうことか。
元国民的歌手がどうしてこの企画に参加したのか、どうしてもう一度ソロとしてやって行く道を選ばず、こんな企画物のアイドルグループに参加したのか。
理由がやっと分かった気がした。
愛にとって、その方が都合が良かったのだ。だって、埋もれるから。自分と同等か、それ以上の問題を起こした者の中にいれば、自分は目立たない。
歌は歌。曲は曲だ。ジャンルがどうこう。栞と違い、愛にそこの優劣はないのかもしれない。歌えればいい。歌いたい。だけど怖い。克服することなく、もう一度歌うにはどうすればいいか――。グループにいたらいい。それも、自分と似たような者の中にいれば。埋もれ、目立たずにいられる。
そんな彼女にとって、このワケアリ人間ばかりのグループはうってつけの存在だった。
ここに来て、恋愛沙汰で問題になったアリサが思い出された。もしかしたら愛は、アリサの問題行動の数々にも、栞たちが呆れている横で、あの笑みを浮かべていたのかもしれない。
『闇を見た気がする』
『国民的歌手の抱える闇』
『わからんでもないが、自分より圧倒的に経験を積んでない弱者を盾にしているようなその考え方はどうしても好きになれない』
『でも、これ言っちゃったら結局目立っちゃうんじゃね?』
『↑だけど愛にからしてみれば、埋もれるからOKなんだろ。どうせまた投票で荒れるのは目に見えてるし。この告白だって話題としては埋もれていく』
愛は冷めた目で流れていくコメントを見つめていた。
――わたしはどうだろう。
愛の考え方だ。
愛からしてみれば、自分もその盾の内の一つということ。そう言われて良い気はしない。当たり前だ。けれど、愛がこれまで受けてきた仕打ちを思えば、気持ちは理解出来た。
栞と同じ歳でシングルマザー。若くしての子育てはどれほど大変なものだったか。幼稚園、小学校。送り迎え、行事、親同伴のあれやこれ。表に出て行く機会はゼロではないはずだ。色んな人の目に晒されてきたのだろう。中には心ない声を向けて来る者だっていたかもしれない。どういう風に乗り切ってきたのか。或いは、乗り切れなかったのか。
好きにはなれない。
今まで愛に抱いていた漠然とした憧れやスター性といった物が消え失せたのはたしかで。
だけど。
愛が自分と同じ、暗いものを抱えている一人の人間だと知れたことで、親近感が湧いたのもたしかだった。
ノートパソコンをそっと閉じた。
もう寝よう。
同じグループの一人。
自分にとっては踏み台でしかないはずのアイドル。
栞はどうしてか、自分と最も遠い位置にいるはずの染夜愛を一番近くに感じていた。
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