第六章 脱落
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「うわははは! 言われちゃいましたねーバレちゃいましたねー! 投票制度!」
「なに笑ってはるんですかー。って、べつに隠してたわけじゃないんでしょう?」
「そうですね。視聴者のみなさんには開示してましたし。そこまで重く捉えている方がいなかっただけですね」
「実際どうなんですか? この投票システム」
「うーん。これは番組スタッフに僕が聞いたことなんですけど、やっぱりこの番組物凄いお金掛けて作ってるんですって。なんで、制作費の回収の為になんらかの徴収は必要だったみたいです。で、実際この投票システムなんですけど、お金掛かる、全員に点数付けられる、それでいてコメントも書ける、って言うと、みんな結構真面目に投票してくれるみたいで。悪戯も心配してたみたいですけれど、ほとんど無くて助かってるそうです。お金の心配も大丈夫そうですし、僕らのお仕事もまだまだ続く! ってな具合で」
「じゃあ、変に操作することもなく、結構きっちりやってるんですね?」
「操作なんて人聞きの悪い! そんなことしてません! では! そんな投票で集まった視聴者の方々から応援コメント! 早速読んでいきたいとー思います! 宇津美ちゃん!」
「はい。埼玉県Mさんのコメントより『神瀬由利穂さん、採点八十五点。自己紹介の爆弾発言! いやあ、しびれました~! まだまだ他の人との絡みが少ないんでその分点数下げてます。栞ちゃんとの今後の絡みに期待!』
長野県Hさんのコメントより『本庄栞さん、採点九十点。地元魂。頑張れ、栞』北海道Rさんのコメントより抜粋致します『アリサさん、百点。また好き放題! 期待してます!』」
「うわははー! 好き放題してさよならしちゃいましたねー!」
「……続いて、東京都Uさんのコメントより『新垣千里さん、百点。マイエンジェル新垣。誰よりも頑張っていて誰よりも輝いている。ああ、アナウンサー時代と何も変わっていない。いや、むしろ輝きを増したと言えるだろう。新垣千里こそこのアイドルグループのセンターにふさわしい』」
「……ねえ、宇津美ちゃん? それ自分の投票コメントじゃないよね?」
「さてっ! みなさん生活環境にも慣れ始め、お互いの性格も何となく分かってきた頃合いです! しかし、投票制度により緊張感も増しています! それぞれ思惑がある様子! ここからどうなってしまうのでしょうか!? アイドルグループ生き残りを掛けたPOTワケアリ人間救済プロジェクト後半戦!!」
「あの、宇津美ちゃん? ねえそれ僕のセリフなんだけど? 宇津美ちゃん?」
「スタートです!」
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